L-ISAはチューリッヒのクラシックフェスティバル「Festspiele Zürich」に美しいサウンド エクスペリエンスを提供
2018年8月
今年のチューリッヒ音楽フェスティバル「Festspiele Zürich」の目玉は、市内の有名なトーンハレ管弦楽団が、その常連客へのお礼として行われた150周年記念コンサートでした。スイスのイベント技術会社Hyposound AG は、ピアニストのユジャ・ワンをゲストに迎えたこの日に特別な体験を提供するために、L‑ISAのハイパーリアル・サウンド・テクノロジーを使用しました。L-ISAは、オブジェクトベースのミキシングとSRテクノロジーのためのツールチェーンであり、正確に音源の位置をとらえ、極めて明確で自然な結果を出します。
Hyposoundの所有者Christoph Müllerは、トーンハレ管弦楽団と何度も仕事をしたことがあり、数年に渡って自然な音の再生に何回も携わってきました。「L‑ISA を使用してレベルを劇的に上げることができました。」と、彼は言っています。コンサートは、チューリッヒのMünsterhof広場に建てられた特設のステージで開催されました。「L-ISAにもちろん期待していましたが、結果は予想以上に素晴らしかったです。」
Müller氏は、L-Acoustics の3Dシミュレーション・ソフトウェア「Soundvision」を使用してシステムを設計しました。Soundvisionの使用により、スピーカーのハングに必要な様々な数値を知ることができ、舞台技術者に高さや重量負荷の正確な情報を伝えることができました。
「L-ISAは割と新しいシステムで、使用するのは初めてだったので、L-Acousticsと一緒に、特にツーリング・アプリケーション・エンジニアのThomas Mehlhornと緊密に協力しデザインしました。」と、Müller氏は説明しました。「L‑ISAをよくわかっていて、保存されたデザインパラメーターを操作することができる人々と一緒に働くことは本当に貴重な手助けでした。」さらに、L-AcousticsアプリケーションエンジニアのFrédéric Baillyが、現場でL-ISAコントローラのサポートを行いました。
長さ16mのステージは非常に広かったです。主賓はステージから3メートルほど離れた位置に座っていたため、L-ISAの構成は中央のフロント席に最適なカバレッジを提供することが重要でしたが、一般に公開されたスペースでしたので、広場全体をカバーすることが同様に重要でした。
最終のL-ISAデザインは、高さ8.5mと、5mごとにステージ沿って配置された9台のL-Acoustics Karaの5つのハングで構成されていました。4台のX8がステージリップにフロントフィルとして設置され、1台のARCS Focusは各側にアウトフィルとして使用されました。センターサブシステムはKaraの後ろにフライングされており、エンドファイア構成の6台のSB18で構成されていました。システム全体は、10台のLA8アンプリファイドコントローラによってドライブされていました。
「コンサートは野外であったため、ゲストに空間的な印象を与えることが重要でした。」と、Müller氏は言いました。しかし、コンサートは一般に公開されてるので、広場全体が混雑することを事前に知っていましたが、中央にいた観客だけでなく、聴衆全体に一貫性を提供したかったのです。L-ISAのマルチチャンネルテクノロジーは、しっかりとした低音域を持ったクリアーなサウンドを提供する完璧なソリューションでした。
照明デザイナー、Markus GüdelはL‐ISA システムと照明デザインの両方が求められる結果を達成できるようにHyposound と協力しました。
「会場のトラスを使用することで、照明を自由に配置するのに十分なハンギングポイントがありました。」と、Güdel氏は説明します。「そして、L-ISAから聴いた音は信じられないほど素晴らしかったです。これから、照明デザイナーは、L-ISAテクノロジーと互換性のある舞台照明のデザインをより簡単に設計することができます。」
ショーのリハーサルは太陽の下で行われましたが、パフォーマンスの始めに大雨が降ってきました。しかし、LA Network ManagerのAir Compensation EQ ツールを使用して、Müller氏は簡単にシステムを気象条件に適応させたため、サウンドエンジニアのUeli Würthはミックスのバランス及びダイナミックスに集中することができました。
「雨にもかかわらず、オーケストラの音は素晴らしかったです。」と、Tonhalle-Gesellschaft Zürichのコンサートのプロジェクトリーダー、Regula Weberは回想して言いました。「最も印象的だったのは、どこにいても各楽器とその位置をはっきり判ることができるということでした。プロダクション全体にはエネルギーがあって、視聴者からポジティブで熱狂した反応をたくさん頂きました」。
「野外のパフォーマンスにも関わらず、音の空間的感覚を感じられることに感動させられました。」とオーケストラソロ打楽器のAndreas Bergerは加えて述べました。「その細かさが素敵です。 最も深いバスの声からピッコロの調べまで、パフォーマンス全体の各楽器を区別することができます。どこにいても一貫した音を完全に、大きく、自然に聴こえます。」
クラシックコンサートやミュージカルで20年以上働いてきたMüller氏は、トーンハレ管弦楽団の記念コンサートで体験したサウンドをずっと探していたと言います。そんな彼はこれからL/Rシステムに戻れないでしょう。
「チームの皆は素晴らしい仕事をしました。」と結論として言いました。「L-ISAを使用した野外コンサートで、トーンハレの厳しい聴衆の心を鼓舞することができたことを嬉しく思っています。」