2018年10月

1088年に創立されたボローニャ大学は、ヨーロッパで最も古く権威のある学術機関です。しかし、学生と教授の双方が、いくつかの教室で音声明瞭度に問題があると感じていました。この問題を解決しつつ、歴史的建築を残すことができるソリューションが必要でした。イタリアのL-Acoustics ディストリビュータ Sismeは、L-AcousticsのSyvaコリニアソース・システムをインストールすることでそれが実現可能だと確信していました。

「教室の音響的不快感の原因は、建物の過度な反響にありました。」と、Sisme社のテクニカル・マネージャー、Andrea Guerranti氏は説明します。「歴史的建築を妨げずに完璧な明瞭度を達成するには、慎重な検討が必要でした。」

Sisme社は、大学の工学部と音響学部との強いつながりを持っています。最初はより狭い教室でマイクとSyvaの設計を検証しました。また、大学の産業工学科の2人のエンジニア、Dario D’OrazioとGiulia Fratoniは各教室の音響特性を測定して、吸音処理と、Syvaの組み合わせで得られる、音をオーディエンスへ集中させて教室の明瞭度を向上させる結果を見てみました。

「従来のラインアレイよりも、L-Acousticsの新しいSyvaシステムを使用することにしました。」とGuerranti氏は言います。「その非常に高い音質、長距離への方向性や高い明瞭度は、教室を授業に最適化させて、教育の音響環境に関する必要な規制の枠組みに従わせることができ、言語の認識を劇的に改善すると確信していました。そして何よりもまず、建物の建築に悪影響を及ぼさないだろうと思いました。」

エンジニアのD’Orazio氏は、3つの教室のためにSyvaシステムで設計をしました。そのうちの2つは、階段状の座席を備えており、200~300人の学生を収容できます。3つ目の教室は約100人の学生を収容することができ、フラットな床になっています。Syvaの幅広い140°の水​​平指向性は部屋全体に広がり、その狭い26°の垂直指向性のおかげで、設計者は音を教室内に集中させ、硬い面への残響を防ぎ、全体的に明瞭度を大幅に改善することができました。

Syvaスピーカーに加えて、新しいシステムには、Syvaの外側に設置されたL-Acoustics 5XTが2つの大きな教室に導入されました。これらの目立たないスピーカーは、フロントフィルとして使用され、教室の最前列をカバーしています。

「結果は素晴らしく、Syvaのおかげですべてが劇的に改善されました。」とGuerranti氏は言います。「実は、エンジニアのD’Orazio氏はこの設備機器に関する記事の公開を考えるほどに結果は素晴らしいのです。」