アデレード・オーバルの観客は新しいL-Acousticsシステムを楽しむ
2018年10月
Karaは会場のRiverbank Standにカバレッジと明瞭度を提供します
アデレード・オーバルは、世界でとまではいかなくとも、オーストラリアで最も美しいテスト・クリケット・グラウンドの一つとして知られています。南オーストラリア・クリケット協会 (SACA)のホームとして、国際クリケット界でその重要性は疑いようがありません。クリケット以外、南オーストラリア・ナショナル・フットボール・リーグ(SANFL)のホームでもあることから、オーストラリアン・フットボール、更にラグビーリーグ協会およびラグビーユニオン、サッカーやテニス、コンサートなど、様々なスポーツや文化的なイベントを開催しています。西スタンド、東スタンド、南(Riverbank)スタンド の3つのスタンドは、2014年に完了した主要な改修の一部として建築されました。Riverbank Standでは、南オーストラリアエリアのL-Acoustics ディストリビュータであるJandsによって提供された新しいKaraシステムが導入されました。システムは、高価な音響処理を必要とせず、向上したカバレッジと明瞭度を提供しています。
14,000人を収容できる、12階建てのRiverbank Standは、複雑な設備条件を持つ湾曲した屋根に覆われています。アメリカの音響設計・コンサルティング会社、Wrightson, Johnson, Haddon & Williams(WJHW) は観客エリアの最上層列向けにシステムを検討し、Karaが理想のソリューションになることを判断しました。一部のオーディエンスエリアでは50mを超えるロングスローが必要でしたが、Karaはパワフルでありながら、軽量なパッケージで最上層列のオーディエンス全体にカバレッジとSPLを提供します。
WJHWデザイナーのGreg Swindleをサポートするために、L-Acousticsアプリケーションチームは、L-AcousticsのソフトウェアSoundvisionでアレイの位置と構成を決定しました。
「Soundvisionはカバレッジ、SPLやスピーカーの角度や重量などの値について非常に正確な予測が可能で、WJHW設計チームにとってリギングポイントとシステム構成を確認するための貴重なツールとなりました。」と、L-Acousticsヘッド・インテグレーション責任者 Dan Palmer氏は述べています。「Gregさんが設計した Soundvisionモデルではリギング情報が細かく説明されていたので、カバレッジ、 SPLやサイトラインなどを検討しやすく、デザインやパフォーマンスに関するすべての目標が達成されたことを確認できました。」
地元のプロダクション・プロバイダ、Novatech Creative Event Technologyは、当初の2ヶ月の 検討期間のため デモ・システムの提供を依頼されました。それが成功につながり、固定システムとしてLCR構成の8台のKaraによる3つのハングの導入を依頼されました。スタンド屋根中央の縁にハングされたKaraと、左右に2つのハングが等距離に配置されました。スタンドの建築と調和するよう、真っ白に仕上げられました。システムは、UPSで動作する特注のラックに収納され、温室制御された部屋に設置された、6台のLA4Xアンプリファイド・コントローラによってドライブされています。
「スタンドの音響は、特に反射率が高いドーム型の屋根のおかげで苦労しました。」と、NovatechのJames Sacca氏は言います。「しかし、Karaシステムの指向性によって、反射を減らし、明瞭度を高めることができました。スピーカーの位置と角度によって、観客エリア全体にわたって一貫したSPLを達成できました。」
システムは緊急避難システムと既存のQSC Q-SYS制御システムを備えており、会場の音声警報システムの必須コンポーネントとして使用することもできることから、緊急事態が発生した際に明瞭かつ分かりやすい指示を観客に提供できます。
Sacca氏は、インフラがさらなる課題を提起したことを指摘しました。例えば、アレイの取り付け、定位および角度調整の要件に合わせて特注のスピーカー・ブラケットを設計する必要がありました。また、35mの高さにあるリギングポイントがおそらくインストールの仕事で最も困難となったタスクであったと加えて言います。
「WJHW、Jands、L-AcousticsとNovatechの専門知識と協力を生かして、システムから期待以上の結果を出すことができました。」と、Sacca氏は結論として言います。「みんなはワクワクしています。新しいシステムを使用した初めてのイベントのあとに観客から自発的にいただいたフィードバックがその成功の証だと思います。」