PepsiCo TheatreはL-Acousticsの新しいPAでリフレッシュ
2018年12月
ニューヨーク州立大学群パーチェス校のパフォーミング・アーツ・センター(PAC)の、約100万ドル近くをかけた改装で、新たに導入されたARCS WiFoシステムとSB28サブは、PACの713席の劇場に透明度と明瞭度、音楽性を加え、さらにQ-SYSネットワークと統合したことにより、高度の柔軟性をもたらします。
1987年以来の初の大きな改装で、ニューヨーク州立大学群(SUNY)パーチェス校のPepsiCo Theatreは、コネチカット州サジントンに本社を置く設備会社 North American Theatrixによって設置された高精度のL-Acoustics ARCS WiFoスピーカーシステムを使用しています。
セットデザイナーのMing Cho Leeによって設計された中規模のPepsiCo Theatreは、優れた適応性を可能にする大きなステージを備えています。また、映画の上映に理想的な背面投影スクリーンおよびフルデジタル投影装置、そして快適な座席も備えています。2016年に地元の大手飲料メーカーPepsiCoから73万ドルの補助金とその他の寄付を受け、座席やカーペット敷設、音響、映写、照明システムなど、重要な舞台裏のインフラまで、劇場の全面改修が可能になりました。
パーチェス校で2番目に大きな会場であるPACの新しいPAシステムは、劇場の反響版を切り抜き、LCR構成でフライングされた2台のARCS Wideの上に2台のARCS Focus、合計4台のL-Acoustics ARCS WiFoエンクロージャによる3つの並列アレイで構成されています。3階部のキャットウォークに設置されたLA-RAKに収納されている合計3台のLA4Xアンプリファイド・コントローラーによってドライブされています。さらに、幅約16mのプロセニアムの両側に4台のSB28サブウーハーがペアでハングされ、1台のLA12Xによってドライブされています。8台のコンパクト5XTコアキシャルスピーカーは、もう一台のLA4Xによってドライブされており、713座席を持つ劇場のアンダーバルコニーの後部座席をカバーしています。
「反響版とサイドプラットフォームの位置関係により、適切なシステムを見つけることはかなり困難でした。システムがあまり目立たないように注意しながら、サイドプラットフォームで音が遮断されないように設置しなくてはならなかったからです。」と、新しいシステムの設計を主導した、パーチェス校のPACのプロダクション・テクノロジー・マネージャであるJustin Herminghouse氏は述べています。「試してみた可変曲率スピーカーシステムの多くは長すぎるものになり、主な要件の1つである一貫したカバレッジを可能にするポイントソースを見つけ出すことができませんでした。しかし、ARCS WiFoシステムでは、一貫したカバレッジを得られますし、観客の視線を邪魔することもありません。」
設計プロセスの大きな制約として、Herminghouse氏がシステムを実際に会場に持ち込んで試聴したり、ソース定位を試したりすることができませんでした。設計プロセス全体をモデリングソフトで行わなければならなかったということです。「Soundvisionはデザインの開発と検証において、とても貴重なツールとなりました。モデリングソフトウェアを使用してレンダリングを作成することができました。このレンダリングを使用して、NAT社長が新しいシステムの能力と見た目を寄付者やその他の技術的でない関係者に提示することができました。また、実際に設備されたシステムのパフォーマンスがSoundvisionの予測と正確に一致していることを見て、私たち全員が非常に感銘を受けました。」
North Theatrix社長兼CEOであるGary Peck氏は次のように述べています。「部屋の新システムの主な目標は、天井など反射率の高いところを避けながら、サウンドをオーディエンスに集中させることでしたが、ARCS WiFoではそれが非常にうまくできています。キャビネットのスマートなパターン・コントロールは、不要な高域がステージに入り込まないようにするためにも非常に効果的です。WideとFocusのエンクロージャーを組み合わせて使用することで、SPLと音質の両方の観点から、オーディエンスエリア全体で一貫性の高いカバレッジを実現することができます。今、どこに座っていても一貫したサウンドが楽しめるうえに、スピーチの明瞭度も非常に高いです。」
L-Acousticsシステムの追加は、もう1つの驚くべき方法で改装全体に不可欠なものとなりました。実は、システム内の4台のSB28サブウーハーも、Q-SYSネットワークを介して新しいQSCシネマシステムに統合され、映画やビデオを強化するためのとどろき渡る低域を提供しています。
「L-AcousticsサブウーハーシステムをQ-SYSネットワークとQSCシネマシステムに統合するのは非常に簡単でした。それがL-Acousticsコンポーネントを使用するもう1つの理由です。」とPeck氏は続いて言いました。「それらはいつも素晴らしい音を出すうえに、柔軟性が高いです。」
Herminghouse氏によると、新しいARCS WiFoはPepsiCo Theatreの多種多様なイベントに美しく対応しています。「先月くらいに、マリアッチアンサンブル、地元のバレエアカデミーの『くるみ割り人形』、Joe Levano出演のPurchase Jazz Orchestraなどのパフォーマンスを開催しました。現在も、スティング、ヴァネッサ・ウィリアムズ、デビッド・サンボーンなどが出演するRob Mathes Holiday Concertも開催される予定となっております。」と彼は言います。「新しいシステムの導入により、以前よりもはるかに幅広いジャンルのプログラムのニーズを満たすことができるようになりました。そして、視聴者、エンジニア、アーティストからの反応は非常に良いです。全体として、ARCS WiFoシステムがホールに最高に適していることが証明できて、みんながとても満足しています。」
パーチェス校のパフォーミングアーツセンターの詳細については、www.artscenter.orgをご覧ください。North American Theatrixの詳細については、www.natheatrix.comをご覧ください。