32日間の祭典。メキシコ「Fiestas de Octubre」にL-Acousticsが壮大なサウンドパフォーマンスを提供
L-Acoustics Kシリーズスピーカーシステムは、メキシコのBenito Juarez Auditoriumに素晴らしい音質を提供しました。
2020年2月
K2ライン・ソース・アレイスピーカーシステムは毎年メキシコで開催される代表的なイベントで、無比のサウンドパフォーマンスを提供しました
『Fiestas de Octubre(以下:フィエスタス・デ・オクトゥブレ)』は、10月にメキシコはハリスコ州の州都グアダラハラで開催される、文化とレクリエーションのフェスティバルで、おそらくメキシコで最も人気のあるフェスティバルです。このフェスティバルは32日間にもおよび、大衆文化と芸術、マリアッチ音楽、そして伝統的な料理やメキシコのビールとワインなど華やかなごちそうを楽しむために100万人以上のファンが集まります。今年はこのフェスティバルの爆発的なエネルギーが、L-Acoustics K2スピーカーシステムの優れた音質と調和しました。
ハリスコ州の様々な会場で開催されているフィエスタス・デ・オクトゥブレ2019の運営は、1965年以来 AEEJ(Agencia Estatal de Entretenimiento de Jalisco:ハリスコ州立エンターテインメント管理局)が担当しています。そして今回選ばれたレンタルパートナーは、メキシコシティに本社を置くLOGRAです。同社は、フェスや企業イベントにサウンドシステムを提供してきた長年の経験があり、さらに最近では地元のツアーにもサービスを提供しています。LOGRAは業界でよく知られた存在で、メキシコ独立記念日、コロナ ミュージック フェス、コロナ サンセッツ、Rockampeonato Telcel、アルカディア、F1グランプリ メキシコなど、さまざまなプロジェクト・イベントのサポートで評価されています。
フェスティバルの規模が年々拡大し、より芸術的なイベントが多くの人々を魅了していく中で、LOGRAの課題は、大規模イベントをさらにレベルアップさせるために優れたオーディオシステムを提供することでした。
続いて、dB Audio Production Service GroupのSRスペシャリストであるジョナサン・デ・ラ・ペーニャ氏は、約16,000人を収容できるメインフォーラムエリアのオーディオ・システムのデザインと調整を担当しました。ここは高レベルの残響が重要な問題となっていました。
「会場には金属シートで作られた湾曲した天井があり、音響処理は行われていません。」とペーニャ氏は言います。「床はコンクリートで作られていて、メインピット周りの座席はスタジアム形式の固定プラスチック椅子です。それに加えて、上部エリアの座席の周りに、通常はシステムのカバレッジに含まない大きなコンコースがあります。」
「地元の人間として、私は何度もこの場所で仕事をし、私が携わった以外の多くのコンサートを観てきましたが、彼らはアリーナをカバーするためにスピーカーのクラスターを吊り下げるだけでした。」とペーニャ氏は付け加えます。「一番上のボックスを最後列席に対して0°の角度でまっすぐに向けてから、アレイを下に広げていく方法です。この方法はスペースの不要なところに多くのエネルギーが分布されてしまうとずっと思っていました。」
ペーニャ氏はオーディエンスに対してより高い入射角で設置する必要があることを知っていました。そのためにより高く吊る必要があり「レーザーのように高精度な」ウェーブガイドが必要であると考えました。当初は、V-DOSCキャビネットのみを使用するデザインをする考えでしたが、最初のテストの後、ペーニャ氏はサブウーハーの吊り下げを含むデザインでは、アレイをさらに広げるためのキャビネットが必要であることに気付きました。また、リギングは全体的に急角度にすることもできることに気が付きました。
「メインPAをK2に切り替えるきっかけになりました。」とペーニャ氏は説明します。「K2を使用することで必要な角度を得ることができ、サブウーハーのK1-SBを同じ鉄骨の梁に制限重量に余裕を残して吊ることができました。もちろんすばらしい音質にすることもできました。」
V-DOSCはアウトフィルとして使用され、dV-DOSCはすべての抜ける箇所をカバーするために使用。そしてカーディオイドでSB28サブウーハーの4つのスタックが観客のピットエリアに設置されました。
「あとは32回のそれぞれのショーが観客でいっぱいになることを願いました。人間は私の一番好きな吸音材ですから。」とペーニャ氏は冗談を交えます。
最終的なデザインは、ダウンフィル用の3台のKaraと14台のK2による2つのメインハングと、その後ろに吊られた8台のK1-SBによる2つのハングに加えて、サイドフィルとして12台のV-DOSCによる2つのハングで構成されました。2台のdV-DOSCによる3つのスタックは、フロントフィルとしてステージリップに配置され、3台のdV-DOSCがステージの両側にアウトフィルとしてグランドスタックされました。16台のSB28サブウーハーは、4台ずつでスタックされ、ステージ前に配置されました。ステージ・モニタリングは13台の115 XT HiQ。さらにドラムフィルは1台の115 XT HiQと1台のSB18で提供されました。
フィエスタス・デ・オクトゥブレのテクニカルディレクターを務めるフェルナンド・アルバネス氏は「ペーニャさんへの私の唯一のリクエストは、コンコースにいる観客に座席エリアと同じくらい素晴らしいサウンド体験を提供してほしいというものでした。特に最近、映像スクリーンと照明がアップグレードされたからです。会場内のどこに座っていても誰もが素晴らしい時間を過ごせることが目的でした。」と述べています。
「ペーニャさんは南米トップ3のサウンドシステム・スペシャリストの一人だと思っています。このイベントに取り組んでもらえて光栄です。」
エンターテインメント業界で30年以上の経験を持つアルバネス氏がフェスティバル制作の全責任を負ったのは今回が初めてでした。32日間もの長く忙しいスケジュールは、きわめて重大な作業となりました。
「この大規模イベントを実行することは決して容易ではありませんでした。」とアルバネス氏は述べます。「32日間連続でパフォーマンスとエンターテイメントが行われ、中国のアクロバット劇場から、複数のオープニングバンドとヘッドライナーを含むライブミュージックコンサートまで様々なショーがありました。」
「ペーニャさんとL-Acousticsのアレックス・ソトと一緒に仕事ができてうれしかったです。このイベントには大変な企画力が必要でしたが、アレックス氏がLOGRAチームと協力することは私にとって心強いものでした。私に彼が必要な時はいつも側にいてくれましたし、彼は誰にも負けないオーディオ知識を持っていました。私にとって、K2は最強です。L-Acousticsが作ったスピーカーの中で最高だと思います。」
※写真はAEEJ、LOGRA、Fiestas de Octubreのスタッフにより提供されました。