2020年7月
LA Network Manager 3に統合されたM1は、システムチューニングとライブモニタリングを合理的に行う

L-Acousticsは、測定とモニタリングツールの包括的なセットであるM1スイートの導入により、業界をリードするシステムコントロールおよびモニタリングソフトウェアであるLA Network Manager 3を新たなレベルに引き上げます。データー採取からシステムチューニング、ライブモニタリングにいたるまで、M1はMilan認定P1プロセッサーとアンプリファイドコントローラーのハードウェア能力を利用した、合理的なシステムキャリブレーションプロセスとリアルタイムパフォーマンスモニタリングを実現します。

M1スイートは、測定とコントロールが1つのシームレスなソリューションとしてネイティブに機能する業界初のペアリングシステムです。独自で信頼性が高く、より効率的なキャリブレーション方法の提供により、M1はユーザーに作業時間の最適化と組織的な能力の拡充をもたらします。

現場における理想的なチューニングには、データーの採取と分析の両方が必要です。市販のほとんどのシステムでは、最適と考えられるEQとアライメントを推定して設定し、その状態を配置したマイク位置においてデーター採取するキャリブレーションプロセスが一般的です。各設定について会場全体にわたる測定値を採取するにはマイクの移動とデーター採取を複数回実行する必要があります。EQやアライメントを変更したならば、マイクの移動とデーター採取を繰り返さなければなりません。

M1はこのプロセスを自動化したデュアルチャンネルFFT測定プラットフォームです。測定対象にあわせてシステム内のさまざまな部分を順次ミュート・アンミュート、データー採取、ラベリング、適切なグループへの保存、これらのシークエンスを自動で実行します。M1ではマイクの配置とデーター採取を会場全体に対して1回だけで済ませられます。データーはソフトウェアで取得・集計され、測定値は「空間的な平均」や「エレメント間のサミング」として個別に可視化できます。EQの調整はバーチャルで完了できるほか、のちにM1内で分析および最適化が可能です。これは、会場に対する最適なキャリブレーションをより迅速に行えることを意味します。また、データー採取後に音響チームは会場を離れてオフラインでキャリブレーションを完了できるため、他のチームに時間と会場を渡すことができます。

M1で採取したすべてのデーターは保存できます。会場のキャリブレーションを実施したのちの数日後、または数カ月後にユーザーが何かを発見した場合、M1はそれに対応します。コントロールソフトウェアでキャリブレーション設定をバーチャルで調整し、それを会場にアップロードするだけで、世界中のどこからでも自動的に改善を施せます。過去に実施したすべての調整はソフトウェアでトラッキング、リコール、再分析が可能です。

適切なキャリブレーションが完了しパフォーマンスが始まると、M1はリアルタイムアナライザー(RTA)によりライブシステムモニタリングとして機能し、システムの動作を評価、常に最適な状態を維持します。本番中には、温度や湿度などの大気条件が変化する可能性や、ピアニッシモからフォルテまで変化するコンテンツ、観客の増減によるルームへの影響などが存在します。これらの変量はシステムパフォーマンスの変化につながる可能性があります。それを補うために、M1のRTAはシステムの挙動を視覚的に理解できる情報をオペレーターに提供し、LA Network Managerは常に新たな大気条件を継続的に分析し、分析結果に応じた修正を提案します。

M1内部の測定ツールと制御ツールはネイティブに統合されており、一方のツールに施した変更は、他方のツールで再現され、自動で最適化されます。

「LA Network Managerを備えたM1は、システムキャリブレーションとモニタリングの真の未来です」とL-Acoustics プロダクト&テクノロジー・アウトリーチ・マネージャーであるScott Sugdenは言います。「包括的な測定プラットフォームをアンプコントロールソフトウェアに統合したことは、サウンドプロフェッショナルに時間の節約とエラーの低減を提供し、アーティストや観客に素晴らしい体験を生み出すためにスキルを集中させることに非常に効果的に役立ちます。」

新しいM1スイートのビデオはオンラインでご覧いただけます。
https://youtu.be/0H-gWWMphW8