2020年9月
Sound Planning Communications(SPC)は、デトロイト地域の礼拝堂のために、建物に溶け込むAシリーズとSyvaエンクロージャーで構成されるトータル・システム・ソリューションを提案し、インストールしました

デトロイトのロイヤルオーク郊外にあるセント・メアリー・カトリック教会は、60年以上にわたり、食料品や衣料品、定期的なミサの開催、教区内の学校で生徒の教育など、地域社会に奉仕してきました。大きくなり続ける集会のためのスペースを広くする希望に満ちた計画に取り組んで、この夏教区は、音楽部を身廊の後部バルコニーに移設し、会衆の座席を増やしました。また、L-Acoustics AシリーズSyvaのエンクロージャーを中心に構成された新しいSRソリューションをデトロイトに本社を置くSound Planning Communications(SPC)に依頼し導入しました。

SPCのデザイン・エンジニアであるジェフ・ウィルショー(Jeff Wilshaw)氏によると、教会はしばらく前からオーディオのアップグレードを必要としていたそうです。「セント・メアリー教会は、石と大理石の壁、高い天井を備えた古典的なカトリック教会の建築物なのですが、以前使用していたスピーカーシステムは、部屋全体にエネルギーをまき散らしていました。」と彼は説明します。「反響の大きい空間のため、教会の3分の1 近くで何を言っているか聞き取れませんでした。そのため、不要なエネルギーが壁に負荷をかけないように、優れた指向性制御を備えた製品を指定する必要があることがすぐにわかりました。」

デトロイト郊外、ロイヤルオークのセント・メアリー・カトリック教会は、L-Acoustics Aシリーズによる新しい音響システムを導入しました。

過去にL-AcousticsのARCSエンクロージャーを使用した設備プロジェクトを何度か成功させてきたSPCは、新世代のAシリーズに注目しました。「教会の礼拝スペースは、幅約10メートル、長さ約35メートル弱で、反射率の高い部屋となっているため、Soundvisionデザインソフトウェアで設計を試した結果、L-Acoustics A10が主要な典礼のアレイシステムに理想的な選択肢であることが明らかになりました。」とウィルショー氏は述べます。

SPCは、1台のA10 Focusの下にA10 Wideによるアレイを部屋の前部と、12メートル離れた位置に設置しました。システムは上部のエンクロージャーによって、最後列の座席に70×10°のパターンでエネルギーをしっかりと集中させることができ、下部のエンクロージャーはより近い座席に110×30°のパターンを提供します。「また、各アレイの上部ボックスにPanflex™分散コントロールを利用することで、余分なエネルギーが側壁に届かないようにし、より良い直接音場を作り上げることができました。この方法で、教会が望む視線を邪魔しないこともできました。技術的な理由でAシリーズを選択したはずですが、システムはビジュアル的にも空間にマッチしてとても気に入りました。」

教会の新しいA10システムの様子。

セント・メアリー教会の音楽部は聖歌隊、個々のボーカリスト、楽器奏者、打楽器奏者が混在しており、現在では聖歌隊ロフトから演奏しているため、SPCは身廊後部にSyvaを設置し、豊かなSRと適切な定位を実現しました。2本のSyvaコリニアシステムは、バルコニー面の左右の端のすぐ下の壁に設置されています。一方、2台のSyva Lowエンクロージャーは、帯域幅を拡張し、低域感を強くするために少し離して高い位置に設置されています。

「非常に狭い垂直指向性で中距離をカバーする Syvaのユニークな能力は完璧な選択でした。それに、すべてのL-Acousticsエンクロージャーに特注のRALカラーリングを使用したおかげで、部屋の後ろの黒い壁に実際に溶け込むという利点もあります。」と、SPCのセールス・エンジニアのデビッド・コーバット(David Corbat)氏は述べています。「教会のレパートリーは、クラシックの賛美歌からより現代的なキリスト教の歌までさまざまです。Syvaは、部屋の美しさを損なうことなく、教会の自然な響きに中でも明瞭度を上げ、すべてに優れた結果をもたらします。」

セント・メアリー教会の新しい宗教音楽監督であるジャスティン・アンバーガー(Justin Umbarger)氏は、次のように同意しています。「音楽は後部の合唱団のロフトから演奏され、お説教などは前部から話されるため、現在、個別と組み合わせて使用できる2つのシステムがあり、各システムはその目的に合わせて完全に調整されています。結果として得られるパワーと明瞭度は、特にパイプオルガンに負けることの無い音楽システムでは、まさに壮観です。ミュージシャンとして、私はSyvaの柔軟性が気に入ってます。先週末だけで、ミサの間に私たちはハイドン、Elevation Worship、そして伝統的な賛美歌を歌いました。Syvaシステムは、各ジャンルのニーズを完璧にサポートしていました。すべてが素晴らしく聴こえました。」

ロフトに配置された2台のコンパクトな5XTエンクロージャーは新しいオーディオシステムを完成させ、ミュージシャンに牧師や議長の声が聞こえるようにバルコニーをカバーしています。「このシステムは、特に交読の時間に必要であり、すべてうまく機能しています。」とウィルショー氏は述べます。教会のスピーカー・システム全体は、2台のLA4Xアンプリファイド・コントローラーによってのみドライブされます。

「典礼用の新しいA10システムにより、セント・メアリー教会でのお説教などは直接的かつ明確に、そして理解しやすくなりました。一方、Syvaシステムは、教区民を本当に包み込む美しい忠実度を達成します。Soundvisionは、これらのL-Acousticsシステムが最初からこのプロジェクトにとって理想の選択であることを非常に効果的に証明しました。そして、物理的に距離を置いたり、ベンチのクッションを外したりするなど、教区の最近のパンデミック対策によって部屋の残響が増しましたが、教会がこれまで以上に会衆とのつながりを維持できるように支援することができました。」