スウェーデンのスピラ文化会館は L-Acoustics Kシリーズシステムをアップグレード
2021年3月
Kara II は、進歩的なプログラムを持つスウェーデンの会館の要求を満たします
印象的で優美なKulturhuset Spira(スピラ文化会館)は、ムンクシェーン湖のほとりにあるガラスと木材を多用した7階建ての会館です。スウェーデンを代表する建築事務所「Wingårdh」(ヴィングオールド)が設計したこの建物には、4つのステージがあり、音楽、演劇、ダンス、子供向けプログラムなどの先進的なプログラムが開催され、地域のスモーランド・ミュージック&シアター・チームの中心拠点としても機能しています。Spiraは「成長」や「向上」を意味し、この精神はスピラ文化会館のチームに最先端の技術を持ち続けたいという願いに繋がっています。最近、会場のオーディオシステムのアップグレードに着手し、彼らはL-AcousticsのKara IIを選択しました。
L-Acousticsは、最初から最後までSpiraが望んでいたサウンドシステムの選択でした。2011年のオープン時にKaraシステムを導入し、その後も順調に稼働してきました。しかし、より大きく、より強力なシステムの需要は年々増加していました。そこで、L-AcousticsがKara IIをリリースしたとき、地元のインテグレーターである JLE Audio ABは、会場の既存のKaraをKara IIにアップグレードし、さらに新しいKara IIエンクロージャーをシステムに追加することで、費用対効果の高いソリューションを提供することができました。
「イェンヒェーピングのシンフォニエッタはここで年に数回のコンサートを行っています。」とSpiraの音響責任者、ジャック・ストランドベリ(Jack Strandberg)氏は述べます。「ここで働くクラシック音楽家、ゲスト指揮者、音響技術者は皆、優れたサウンドを求めています。そのため、オーケストラのゲストショーや会議の場合など、オーディエンスに最高のオーディオエクスペリエンスを提供するために、Hi-Fiサウンドで明瞭度の高い、均一なレスポンスを備えたL-Acousticsブランドを選択しました。
「アップグレードを決定したとき、特に新しいPanflexフィンは初期反射を除去できるため、Kara IIは優れた選択肢でした。既存のKaraをアップグレードできることがわかったとき、選択に間違いがないことを確信しました。」
作業は昨年の晩秋に始まり、1月に完了しました。JLEは、L-Acousticsのアプリケーションエンジニアからのサポートを受け、Spiraのチームと緊密に協力して、劇場のすべての座席に均一で高品質のカバレージを提供することを目標に、新しいKaraIIシステムを設計しました。
「L-Acoustics製品とそのシステム設計は卓越しており、最高レベルのハイエンドテクノロジーと音質を提供します。」とJLEのヨハネス・ヨンソン氏は述べています。「このシステムは、社内のサウンドエンジニアとゲストプロダクションの両方を満足させると分かっていました。L-Acoustics Soundvisionを用いて、セットアップ全体を設計しました。期待できる結果を明確に把握するために、このような優れたソフトウェアがあると非常に便利です。」
ストランドベリ氏は、JLEと L-Acousticsとの長年の関係でプロジェクト全体の共同プロセスが非常にスムーズになった、と説明します。「L-Acousticsに コンサートホールのCADファイルをメールで送信しただけで、会場の詳細なSoundvisionファイルを受け取ることができました。」と述べます。「私からの指示は、既存のSB18センターサブウーハーと KS28サブウーハーをカーディオイドモードにして、Kara IIとサブウーハーから客席全体に均等な広がりを持たせることでした。
最終的なセットアップは、中央に4台のSB18と片側に14台のKara IIのフライング・メインシステムに加え、左右に2台ずつグラウンドスタックされた計4台のKS28で構成されています。フロントフィルに8台の5XTが、ステージリップ全体に均等に配置され、4台の8XTはバルコニー・フィルに使用されています。システムは9台のLA4Xおよび1台のLA12Xアンプリファイド・コントローラーによってドライブされ、P1プロセッサはすべてのアンプへAVBを介したオーディオ分配を管理しています。
アンプリファイド・コントローラーはすべて建物の最上階のグリッド上に配置されており、Kara IIへのケーブル配線をできるだけ短くしたいと考えていたため、設置作業はケーブルの配線から始まりました。2つ目の仕事は、左右のKara IIハングを吊り上げる4台のチェーンマスターホイストの最適な位置を見つけることでした。「そこから、残りの設置作業はとても簡単でした。」とストランドベリ氏は明かします。「最後の仕事は、2日間かけて、2階と3階のバルコニー席と、1階の座席のフロントフィルとアウトフィルを聞いて測定することでした。」
「得られた結果は、ソフトウェアで見たものに非常に近いものでした。」とヨンソン氏は加えます。「SoundvisionのAutosolverツールは、音響性能を改善するための洗練された分析を提供することにより、エレメント間の角度の最適化を行ってくれるという非常に優れた仕事をしれくれました。AutoFIRフィルターツールは、中高音域のシステムチューニングを支え、アレイ内のゾーン化されたグループにリニアフェーズ FIRフィルターを施すことにより、高周波数レスポンスの均一性と平坦性をさらに向上させます。」
JLEは最近、SpiraのカフェステージのPAをアップグレードし、2台のA10 Focusと1台のA10 Wideによる2つのハングを左右に、さらに3台のKS21ハングを中央に配置しました。そのシステムは、2台のLA4Xアンプリファイド・コントローラーにてドライブされています。
「私の主な目標は、会場全体に均一なサウンドを提供することでした。」とストランドベリ氏は締めくくります。「両方のスペースのL-Acousticsを採用することで、オーディエンスがどこに座っていても、優れたサウンド体験を楽しむことができます。私達は最終結果に満足しています。このシステムにより、進歩的なプログラムを継続的に広めることができ、最先端のテクノロジーを提供するという精神に繋げることもできます。」