バージニア・シアターが100周年を記念してL-Acoustics Kara IIシステムを導入
シャンペーンのバージニア・シアターの外観(画像提供元:3D Tour Gallery Photography)
Threshold Acoustics社が指定し、Knox-Array社が設置したこの新しいシステムは、イリノイ州天然資源局の博物館資金助成プログラムによって援助を受けています。
2021年5月
イリノイ州シャンペーンは、ロックミュージックで地理的に不思議なスポットの一つです。インディアナポリスとピオリアの中間に位置するこの大学都市は、過去50年間にツアーを行った、ほぼすべてのバンドや、アリソン・クラウス、REOスピードワゴン、ダン・フォーゲルバーグ、マイケル・マクドナルドなど、地元で愛されているアーティストが訪れています。そして、その多くが、今年100周年を迎えるこの町のバージニア・シアターで公演を行ってきました。
Threshold Acousticsが設計、L-Acousticsの認定プロバイダーであるMid-America Soundが販売、Knox Array Event Productionが設置したL-Acoustics Kara IIサウンドシステムが、バージニア・シアターの100周年記念に相応しい贈り物となりました。過去20年間、州の助成金、民間の寄付金、商業スポンサー、大規模な寄付金など約1,000万ドルを投じて着実に改装されてきたこの会場は、電源、インフラ、装飾に至るまで一新され、1921年に無声映画用の生演奏のために設置された700本のパイプを持つ古典的なウーリッツァー・オルガンも設置されています。パンデミックの影響で休館していたバージニア・シアターは、この夏に再開され、もうすぐ沈黙を破ります。
シャンペーン・パーク・ディストリクトが運営するバージニア・シアターのテクニカル・マネージャー、スティーブン・ホワイト(Stephen White)氏は、「これは大変な仕事でした」と回想しています。「単にラックやスタックを設置するだけではなく、新しいキャットウォークなどのインフラを整備し、電力を最新のものにするために、新しいコンジットやケーブル、さらには信じられないほどクリーンで静かな電力を提供するKレートの変圧器を導入しました。すべてを機能させるために鋼材やIビームを追加しなければなりませんでしたが、このような音楽会場では、サウンドシステムがすべての中心となるためです。」
現在、劇場には20台のL-Acoustics Kara IIラインソースアレイが片側10台ずつフライングされ、オーケストラピットには4台のSB28サブウーハーがスタックされています。さらに片側2台のX12コアキシャルスピーカーがPAハング下の左右の壁に取付けられ、1,463席の扇形の客席の左右1列目から3列目までをしっかりとカバーしています。12台のショートスローX8は、ステージ前に8台、劇場のドーム下に4台がフィルとして使用され、8台のコンパクトな5XTはバルコニー下の客席をカバーしています。これらはすべて、1台のLA12Xと8台のLA4Xアンプリファイド・コントローラーでドライブされています。
「バルコニーの後ろの角は、常に一貫したクリアな音が得られない問題が起こっていました。」とホワイト氏は話ます。「L-Acousticsのフィル・スピーカーは、現在バルコニーの最後の6列をカバーしていますが、この問題を完全に解決してくれました。装飾的な漆喰と特徴のある客席形状で、この部屋をデザインすることは難しいことでしたが、Threshold AcousticsとL-Acousticsはそれを成し遂げました。」
「SB28は、コンクリートと石が敷き詰められたオーケストラピットに設置されています。試しにボズ・スキャッグスの曲をSpotify Hifiで流してみたところ、[Thanks To You]という曲が再生されましたが、ピットが低域をとても美しく増幅してくれることに気が付きました。そして、低音が強力でステンドグラスの装飾照明が鳴ってしまうので、補強しなければならないこともわかりました。」
このKara IIアレイの設置には、メーカーの幅広い統合ソリューションが役立ちました。彼はスピーカーの軽量でコンパクトなサイズを高く評価し、そのサウンドを気に入っていますが、Knox Array Event Production社のオーナーであるブライアン・ノックス(Brian Knox)氏によると、施工者の視点から見て一番の秘訣は、いくつかのディレイスピーカーに必要な、適切なブラケットを見つけることだったそうです。
「紙の上では素晴らしいシステム設計ができていても、実際に部屋に入ってみると、スピーカーが入るべき場所に梁などの障害物があることが必ずあります。このような古い劇場では、特にそうですね。構造だけでなく、装飾的な漆喰の装飾もすべて回避して、美しい配置と、音が最適に分布する機能的な配置の両方を見つけるために適応する必要がありました」。会場の隅々まで登って配線をしているうちに、アウトフィル用に指定されたブラケットでは図面の位置に取り付けられないため、スピーカーが適切な場所を狙えないことがわかりました。幸いなことに、L-Acousticsには複数のリギングアクセサリーがあり、その中からぴったり合うものを選ぶことができました。」
ノックス氏はまた、Kara IIのリギング接続部のデザインが、吊り下げや調整を容易にしていることに気付きました。「メインスピーカーの吊り下げは、Polar Focusシステムと片側1台のチェーンモーターを使用した1点吊りで固定されていました。そのため、左右や上下の調整が容易で、より正確にスピーカーを狙って部屋を効果的にカバーすることができました。」と説明します。「また、アンプとプロセッシングがネットワーク化されていることと、統合ソフトウェアのおかげで、すべてのプロセスが非常に簡単になりました。このシステムは、工場出荷時のプリセットとSoundvisionのAutofilterの結果を使って、箱から出した直後からとても良い音を出していましたが、いくつかの微調整を経て、今では完璧です。すべてのスピーカーがプロセッシングとうまく連動し、この素晴らしい古い劇場で想定されていた通りに音を生き生きと再生してくれます。」
新しいKara IIシステムは、この劇場が得意とするレガシーなロックショーから、1992年から2019年までこの劇場に出演してきた、Champaign-Urbana Theatre Companyのパフォーマンスまで、あらゆる場面で使用されることになります。昨年から劇場を暗くしていたパンデミックによる規制が解除され、8月にショーが再開されます。
ここは典型的なコミュニティシアターであり、さまざまなショーやイベントを開催しており、音楽やスポークン・ワードのパフォーマンスも行われています。」とホワイト氏は話します。「Kara IIはそれらのパフォーマンスにパワーと透明度をもたらすに違いありません。」
しかし、それまでの間、彼は通常の時間が戻ってくるのを待つ間、パワフルなKara IIボックスとSB28サブウーハーを使って、クラシックなP-FUNKやブーツィー・コリンズのベースラインを多用した自分のプレイリストを流して、そこにいることを楽しんでいます。「当分の間、自分専用のステレオシステムになっていて、最高です!」と彼は笑います。