(Photo Credit: Philip Groshong, Cincinnati Opera)

L-AcousticsのL-ISAテクノロジーを使って、オペラは舞台の周りに仮想のパフォーマンスホールを構築し、熱心な観客に本格的なクラシックオペラ体験を約束しました。

2021年9月
シンシナティ郊外のブルーアッシュでは、「カルメン」、「トスカ」、「セビリアの理髪師」など、シンシナティ・オペラの「Summer at Summit」シリーズが7月11日から8月1日までサミット・パークで開催されました。国際的に有名なゲストアーティスト、シンシナティ交響楽団、シンシナティオペラ合唱団による華麗な歌声、感動的なストーリーテリング、魅惑的な音楽など、高い評価を得ているシンシナティオペラを愛する人たちが期待していたものがすべて実現しました。しかし、意外だったのは屋外での公演でした。パンデミックの影響を受けての選択でしたが、L-Acousticsが提供するL-ISAイマーシブテクノロジーを使用することで、グランドオペラシアターの壮大なサウンドを実現しながら、星空の下で体験ができる空間となりました。

UCLAの演劇映画テレビ学部でサウンドデザインの課程を担当するジョナサン・バーク(Jonathan Burke)氏が共同でデザインしたシステムには、L-Acousticsの幅広い技術の中から最高のものが組み込まれています。60台のKara IIエンクロージャーは、12台ずつで5つのアレイに配置され、すべてのエンクロージャーはタワーとステージキャノピーからフライングされ、Sceneシステムとして使用されました。これらのアレイにはL-AcousticsのPanflexホリゾンタルステアリングが採用され、ステージから約135メートル先に広がる客席全体をカバーすることができました。

さらに、16台のKS28サブウーハーが地面にセンターアークで配置され、それらの上に、9台のKiva IIエンクロージャーがステージに沿ってフロントフィルとして配置されました。最後に、6台のSyva(ミディアムスロー)コリニアソーススピーカーを客席後方のライトポールに取り付け、L-ISA Room Engine機能を使ってリア・サラウンドアレイを作りました。すべてのコンポーネントはFirehouse Productionsが提供しました。

L-Acousticsのアメリカ・アプリケーション・ディレクターであるマーカス・ロス(Marcus Ross)は、「これはL-ISAのユニークな導入例でした。」と語ります。「なぜなら、野外ステージの重量制限のため、Sceneアレイをステージ上ではなく、通常よりも広い範囲に分散させる必要があったからです。通常のL-ISA構成とは異なりますが、今回の導入により、システムの柔軟性を示すことができました。また、最前席列はステージから15メートルも離れており、客席が非常に広範囲に分散していたことなど、他の多くの課題も克服することができました。」

屋外でのオペラ体験を実現することがミッションでしたが、L-ISAはそれを成功させました。「目立たないところにサラウンドスピーカーを設置して、最初からリバーブ感のあるサウンドシステムを構築する方法を検討しました。」と、ロスやL-Acousticsのアプリケーションエンジニアのジョーダン・タニ(Jordan Tani)と共同でSummer at Summitシリーズのシステムデザインを行う前に、L-Acousticsのウェストレイク・ビレッジのスタジオで1日かけてL-ISAとオブジェクトベースのライブオーディオ・ミキシングに慣れ親しんだバーク氏は説明します。「ドルビーアトモスのような没入型オーディオシステムを扱うことはありましたが、没入型サウンドをライブでミックスするのは初めてです。これは本当に新しくて素晴らしい世界です。」

バーク氏は、L-ISAプロセッサーによって音場を広げ、観客を包み込むような音の風景を作りながら、その音場の中で各楽器をステージ上の実際の位置に正確に配置することができたのが楽しかったと言います。「ハープやティンパニなどが正確に配置され、それぞれの楽器のディテールがまるで隣に立っているかのように感じられ、オーケストラの空間化は素晴らしいものでした。」と感嘆しています。「例えば、コーラスの幅を広げたり、必要に応じて他の要素を舞台の上や下に移動させたりすることもできました。」

しかし、彼とキャストが最大の称賛を送ったのは、L-ISA Room Engineの機能でした。オペラ歌手が驚いたほど、劇場の室内環境を忠実に再現していました。「彼らは、壁の反射を感じ、壁に囲まれた空間にいるように感じたと言っていました。ボーカルモニターもフォールドバックもなく、仮想的なリアルな部屋に助けられているように感じられたそうです。このようなショーでは、必要に応じてフェーダーでリバーブをかけることが多いのですが、今回のショーではそのようなものは必要ありませんでした。Room Engineは、私たちが必要とするアンビエンスをすべて作り出してくれました。」

「さらに、フィードバックが起こるまでのゲインも素晴らしいものでした。私たちは特に大きな音量を出したわけではありませんが、システムは十分な出力を提供し、フィードバックの気配すらありませんでした。従来のシステムのように2つのオブジェクトが加算されることがないので、それぞれのオブジェクトがスピーカーや音場の中で独自の関係を持っており、最小限のEQで驚くほどのディテールとゲインを得ることができました。これは、私にとって本当に目からウロコでした。L-ISAのおかげで、誰もが自分が本当に劇場にいるような感覚になりました。さらに、開演の10分前からオーケストラの音を忍ばせて、コンサートホールで聴くような同じ音環境で、全員のチューニングやウォーミングアップが聴こえるようにしました。それはとても素晴らしいことでした。」

(Photo Credit: Philip Groshong, Cincinnati Opera)

(Photo Credit: Philip Groshong, Cincinnati Opera)

(Photo Credit: Philip Groshong, Cincinnati Opera)

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