クライスト・キング・カトリック教区、L-Acoustics A10iとSyvaでサウンドソリューションを見つける
センターフライングされたA10iアレイは、2つのトランセプトエリアの上にフライングされたショートスローのコンパクトな5XTによって補完されています。(Photo Credit: Jay Baumgardner, Clearwing Productions)
1つのA10iアレイが、壁や床からの反射音少なくしてスピーチの明瞭度を確保し、Syvaスピーカーのセットが聖歌隊とピアノを明瞭にします。
2021年8月
ウィスコンシン州ミルウォーキー市西部の郊外、ワウワトサ市にあるクライスト・キング教区(Christ King Catholic Parish)の教会堂は、半世紀以上にわたり建設、改築、改装、更新を繰り返してきました。しかし、最も大きな変化をもたらしたのは、夏にClearwing Systems Integrationが設置したL-Acoustics A10iアレイとSyvaスピーカー・エンクロージャーと、古いサウンドシステムとの入替であったと思われます。
1957年1月にオープンしたこの建物は、1,200人の教区民を収容できるように設計されていました。しかし、多くの古いカトリック教会と同様に、設計は大理石、ガラス、硬材を多用しているため、反射率の高い音環境となっており、音楽、特にスピーチには非常に厳しいものとなっていました。この様な空間ではよくあることですが、スピーチは前列の祭壇で行われ、音楽は後列の聖歌隊とオルガンロフトから演奏されるので、クライスト・キング教区のニーズに対応するには両方向からのアプローチが必要でした。
L-Acoustics Soundvisionデザインソフトウェアを使用して、Clearwing Systems Integrationは理想的な解決策を作成しました。それは、5台のA10i(4台のFocusの下に1台のWide)によるシングルのセンターアレイを部屋の前部に配置したものと、部屋の後部のロフトの下にある建物の拝廊のドアの両側にSyvaとSyva Lowのペアによるこのです。4台のコンパクトな5XTコアキシャルスピーカーは、音が届きにくい左右のトランセプトエリアの下に片側2台ずつ取り付けられており、4台のポータブルX12モニターウェッジにより、2階のミュージシャンは自分の声や祭壇の音声をはっきりと聞くことができます。4台のLA2Xiアンプリファイド・コントローラが、メッセージと音楽の両方に明瞭さをもたらしたシステム全体をドライブします。
CLEARWINGのシステム・インテグレーション・オペレーション・マネージャーであるマイク・ジョナス(Mike Jonas)氏は、設置後の音質の違いは劇的だと言います。「以前のシステムは、古い教会にありがちなカスタムホーンアレイで構成されていましたが、カバレッジが安定せず、美観も良くありませんでした。」と説明します。「硬くて反射しやすい面を多く持つこのような環境で音を機能させるコツは、優れたパターンコントロールであり、それはA10iとそのPanflexテクノロジーが提供するものです。」
今回は、手動で調整ができるフィンと300Hzから有効なDSPアルゴリズムを組み合わせた独自の水平方向のステアリング技術であるPanflexを使い、ジョナス氏は上4台のスピーカーに対称的な70°の設定を選択し、音のエネルギーを客席に真っすぐに向け、反射面を避けることができました。「A10iは十分な出力を提供しながら、このような空間ではすぐに増えてしまう余分な低域を引き起こしませんでした。」と言います。
反対側では、教会のロフトに設置された41本の新しいオルガンと共に演奏される音楽を、Syvaスピーカーがフルレンジで再生しています。「Syvaはピアノや声楽に最適です。また、5XTフィルスピーカーのおかげで、今まで直接音が届かなかった洗礼盤が置かれた場所でも、しっかりとダイレクトに届くようになりました。」
さらにジョナス氏は、A10iのエンクロージャーとフロントグリル、そしてSyva、Syva Low、5XTの外装色を、RALカラースタンダードチャートを用いて、教会の非常に特殊なベージュ色にマッチさせることができたことについて、「音の違いがわかるのに、システムが見えないというのも素晴らしいことです。」と語ります。「SRシステムは、教会の建築物の雰囲気を壊さないようにすることが重要です。様々なスピーカーオプションのフォームファクタとカスタムカラーにより、その目的を達成することができました。」
クライスト・キング教区の典礼音楽監督であるビル・リーベン(Bill Lieven)氏は、新しいサウンドシステムと以前のサウンドシステムの違いは、文字通り天と地ほどの差があると言います。「以前のシステムでは、教会の中でまったく音が届かない場所がありました。「しかし今では、どこでも非常に安定したカバレージが得られています。非常にクリアで均一なサウンドです」。
実際、多くの教区民は、聖歌隊席にピアノがあることを知りませんでした。それも、約2.3メートルの奥行きを持つ美しいスタインウェイのグランドピアノです。「前は、あそこに電子キーボードがあると思っていた人もいましたが、今では部屋の前から後ろまでピアノの音が聞こえ、Syva Lowサブがその豊かな低音を引き出しています。」と言います。「教区の方々もその違いを実感されていて、『素晴らしい、本当に素晴らしい 』とおっしゃってくださいます。」