板橋区立文化会館 小ホールにL-Acoustics A10iが導入されました
板橋区立文化会館は2021年3月に大ホールの音響設備をL-Acousticsで更新。それに次いで2024年に小ホールもL-Acousticsで音響設備の更新を行い、3月から稼働が開始されました。
板橋区立文化会館 大ホール改修の納入事例はこちら
https://www.bestecaudio.com/2021/03/31/itabashibunka/
板橋区立文化会館 小ホールは定員306名。地元の方が主な利用者で、ピアノの発表会やクラシック演奏、式典、講演会などが行われています。
小ホールはA10iとKS21iを中心としたシステム構成で、他のL-Acousticsスピーカーも候補に挙がりましたが、会場の大きさと形状を考慮しながら、最前列から最後部座席まで明瞭度の高い均一音色を届けたいという要望を満たす解決策としてA10iが選ばれました。プロセニアムスピーカーは露出型にし、開口部の形状の影響を受けずに、十分なカバレージを確保できるようにしています。スピーカー前面に音響透過スクリーンのA10i FOCUS-SCREENを取り付け、スピーカーの存在感を最小限にしています。
プロセニアムスピーカーからの音が最前列にも届いているため、ステージフロントスピーカーが使われることがほぼ無くなったということです。
サイドスピーカーは上段からA10i Focusが2台と最下段のA10i Wide 1台をフライングし、KS21iは床置きされています。A10iを吊ることで必要のない場所に音が届かないようにして、反射の少ない最適なカバレッジを実現しています。 また、固定ハネ返りスピーカーはX12が選択されています。
コントロールルームに設置された7台のアンプリファイドコントローラーLA4Xですべてのスピーカーはドライブされ、コンソールからはAES/EBUで接続されています。
コンソールのモニタースピーカーにはX8が採用されました。改修前は、窓を開けてホールから漏れ聞こえてくる音を聴きながらミキシングが行われていましたが、改修後は客席だけをエリアカバーするようにしているため、窓を開けても音が聞こえづらくなったそうです。今まで以上にモニタースピーカーの重要性が高まったそうです。
板橋文化会館の音響主任である持田 勝久 氏(株式会社シグマコミュニケーションズ 所属)は「X8を採用したことで、ホール内と同音色の非常に良い音で仕事ができます。」とおっしゃっています。
「A10iは、客席のどの場所で聴いても良い音質で、これまでとは違う解像度と定位感を感じます。まるでスタジオで聴いているような音がします。私が昔から目指していた音に近いとも言えます。出力についても、小ホールは大きな音量を必要としないので、小型のA10iで十分でした。」と続いて話されています。
小ホールの改修のタイミングで、大ホールでも使うことを目的としたX12とX8も導入されました。兼用というフレキシブルな運用を行うために、スピーカー コンセントがどちらのホールにも適材適所に設置され、移動用システムの運用が簡単に行えるようになったとのことです。
板橋文化会館の大ホールに次いで小ホールにもL-Acousticsが選ばれた理由の一つがこの運用性の高さだと持田 氏は語ってくださいました。
「LA Network Managerはどちらのホールでも常に使っています。使い方は覚えてしまうと簡単ですし、管理する上でも同じブランドにしたことで非常に便利になりました。」
この小ホールの改修のタイミングで、持田 氏が所属する株式会社シグマコミュニケーションズの多くの技術者がL-Acousticsのトレーニングを受講されました。さらに持田 氏は音響シミュレーションソフト「Soundvision」まで学ばれました。 「L-Acousticsがどのような考えで音を作っているのかを知りたかったので様々なトレーニングを受講しました。」とL-Acousticsへ関心と向上心の高さを感じさせてくれました。
L-Acousticsのシステムは、LA Network Managerを活用することで、さまざまな会場や現場で容易にスピーカーを運用することができます。どちらのホールでもL-Acousticsを採用したことで、それぞれのホールに設置されたアンプリファイドコントローラーで移動用のスピーカーをドライブできるなど、コスト面でも優位であると言えます。そのモデルケースとして板橋文化会館の今後の活躍に期待せずにはいられません。
板橋区立文化会館
東京都板橋区大山東町51-1
TEL 03-3579-2222
https://www.itabashi-ci.org/culturehall/