大宮ソニックシティホール 大ホールと小ホールの音響システムが、L-Acousticsによって刷新されました
埼玉県大宮駅から徒歩3分に位置する「ソニックシティ」は、大小の音楽ホール、国際会議室、展示場、市民ホール、大小会議室群、都市型ホテルを備えた総合コンベンション施設です。
その中心施設の一つである「ソニックシティホール」の大ホールと小ホールの音響システムが、L-Acousticsによって全面的に刷新されました。
1988年にオープンしたソニックシティホール棟は、2021年7月から2023年2月にかけて長期間の改修工事が行われました。主な目的は天井の耐震補強工事でしたが、この機会に音響システムの更新も実施されました。大ホールではL-Acoustics KARA IIを中心としたシステムに、小ホールではA10を主体としたシステムにそれぞれアップグレードされました。
音響システムの更新について、ソニックシティを管理する株式会社シグマコミュニケーションズの音響担当の統括チーフ 斉藤 誠氏と、同社音響担当 長尾 修氏にお話しを伺いました。
大ホール
客席数2505席の大ホールは、クラシック、ポップス、ロックコンサート、ダンスイベントなど多用途に対応できる施設です。(残響可変装置によって残響時間を1.5秒から1.8秒に調整可能)
以前はプロセニアムからの音が2階席奥に届きにくく、1階付近から2階席に向けたスピーカーを追加設置して対応していました。しかし今回の天井改修の際に、プロセニアムの開口部を広げることができ、内部に納めたKARA IIが2階席奥まで十分に音を届ける設計が実現しました。
長尾氏は「開口部が広がったとはいえ、プロセニアム内のスペースは限られており、収まるサイズで十分なパワーを持つスピーカーが求められました」と振り返ります。
また斉藤氏も「特にプロセニアム部分の設計には苦労しました」と語ります。
改修以前は複数のスピーカーブランドが混在していましたが、今回すべてL-Acoustics製品で統一されたため、Soundvisionを使用した音響設計が容易になり、結果的に会場全体で均一な音響環境が実現しました。
長尾氏は「以前に比べて音が繊細で伸びやかになった」と評価しています。
小ホール
客席数496席の小ホールは、講演会、学会、ピアノ発表会などに利用される多目的ホールで、同時通訳設備も完備しています。
従来、プロセニアムはL-Acoustics KIVA ×5、KILO ×1という構成でしたが、音楽演目で低域のボリュームが求められるため、今回の更新でA10 FOCUS ×1、A10 WIDE ×2、KS21 ×1に刷新され、音の充実が図られました。
「スピーカーの本数が減ったため、以前と同じようにカバーできるか不安もありましたが、実際に音を聴くと全く問題ありませんでした。以前より音の重心が下がり、芯のあるサウンドに仕上がっています」と斉藤氏は語ります。
また長尾氏は「ステージの額縁を埋めるような音圧を感じることができます」と評価しています。
今後の展望
今後の展望について「次は大ホールのカラム部の開口部を広げたい」とお二人は述べています。
今回の約1年半に及ぶ改修により、音響、快適性、安全性が大きく向上したソニックシティホールは、埼玉県都心部のフラッグシップホールとして、さらなる飛躍が期待されています。
大宮ソニックシティ
https://www.sonic-city.or.jp/