防音マルチスペース Box Plus 様にL-Acoustics A15 Focusが導入されました。
神奈川県の中央部に位置する伊勢原市で、音楽イベント事業を営む(有)パル音楽産業 様が運営する防音完備のマルチスペース『Box Plus』に、L-Acoustics A15 Focus と MIDAS M32 LIVEを中心とする音響機材が納入されました。
Box Plus(旧 BOX STUDIO ISEHARA)は元々ライブハウスとバンド練習スタジオが一つになった施設で、従来より地元の音楽文化を盛り上げる場所として知られていましたが、2023年2月にダンスや配信、会議なども行える、多目的なスペースに改修されました。
運営会社 パル音楽産業について
今回は、サウンドエンジニアのみならず、多彩に活躍する 専務取締役の中村 直純 様に、A15 FocusシステムとMIDAS M32 LIVEを選んだ理由や使用感を伺いました。
パル音楽産業は、当時ブライダルPAや発表会の録音などをしていた父(社長)が1979年に創業しました。起業してからは録音と音響をメインの業務にしていました。
2000年に私が入社してからはステージやアルミトラスを組んで照明もできるようになったので、仕込みからオペレート、バラシまでワンパッケージでやれます。さらに今では配信もやるようになりました。
マルチスペースにリニューアルしたBox Plus
ここはパル音楽産業の事業の一つです。BOX STUDIO ISEHARAとして2001年にオープンし、当時はスタジオ4部屋とホール1部屋があるバンド練習スタジオとしてやっていましたが、2023年2月に防音マルチスペースの『Box Plus』へとリニューアルしました。
実は以前から事業転換について考えることがあったのですが、コロナ禍で客足が遠のいてしまったことがきっかけとなりリニューアルすることにしました。リサーチしてみるとバンド人口は減少してダンス人口は増加していました。それで今までのお客さんもカバーしながら新しいお客さんに利用してもらえるようにマルチスペースという形にしたんです。
スタジオ設備はダンスでの利用をメインに考えて作りましたが、バンド練習もこれまで通りできます。
ホールはフリースペースとしてライブでも会議でもなんでもできるようにしました。移動式の音響と照明を完備しているので使い方次第でなんでもできます。
どの部屋も配信だけではなくて”双方向”で送受信ができます。スタジオにはご覧の通り全室にモニター画面とLANケーブル口があるので、配信機材を接続して使っていただけます。
例えばヨガやダンス、楽器講師によるレッスンをリアルタイムに配信できますし、その逆でここでレッスンを受けることもできます。完全防音なのでボイストレーニングやドラム等も思いきりできます。もちろんバンドのライブ配信も可能です。4Kカメラやグリーンバック、120インチスクリーンにプロジェクターもお貸しできますので、アイディア次第でなんでもできます。
L-Acoustics A15 Focusの導入理由
まずパル音楽産業の本社に先に入ったA15システムの話をしないといけませんね。
本社の案件では外現場やロックバンドものが多く、パンチのある低音とバランスの良い高音が必要でした。それまで使っていたスピーカーの音に慣れていたこともあり、それに印象が近いもので比較検討して、最終的にA15 FocusとWideのシステムになりました。使ってみて良かったので、このホールはA15 Focusにしました。
※中村 様は本社の業務も担当されるため、外現場での感想が含まれます)
良いですよ。使いやすいです。僕らは音響シミュレートを使わずに会場の中を歩いて耳で音作りをしています。前に使っていたスピーカーでは音が溜まる場所や足りない場所がありましたが、A15 Focusは会場中に均等に音が行き渡ります。
A15 Focusはキャビネットの形通りのところに音が行く印象です。1つ積むと「ここからここまで音が届きます」というのがはっきりわかります。さらに、ここまで届かせたいから2段目を積む。3段目を積んだらこうなる。というのが感覚的に分かりますね。積んだ後にそれらの音が被ることもありません。
A15 Focusにしてからは市民会館などでもローの溜まりが気にならなくなりましたし、ハイは均等に届くイメージがあります。
Box Plusのホールは天井が高くないので、反射が少しに気なります。今後は天井にも防音処理を施すので反射を気にせず大きな音が出せるようになります。そうなればさらにライブハウスらしい音になりますよ。
バラシと組み立ても簡単ですし、なによりかっこいいですね。A15 Focusは高級感があって僕は大好きです。見た目と音の良さが伴っているというのがいいですね。お値段以上の価値だと思います。リニューアルで予算を多く使いましたが、このスピーカーだけは譲れませんでした。
MIDASのコンソールも本社の方でM32とM32-Rを使っていたこともあり、慣れていたでこれになりました。
音については、弊社は以前にもMIDAS Veronaを使用していたこともあって、深みのあるMIDASの音質が好きですね。デジタルになっても変わらないアナログっぽい音は、ビックバンドやJazzのPAが多い弊社にとってはベストマッチだと思っています。
M32 LIVEは操作したい項目をタッチパネルで呼び出すことなく、目の前のパネルからクイックにアクセスする事ができるので、時間勝負のライブのオペでは本当に便利と感じています。
好きなところは「RECORDER」(USBメモリへの2トラック録音機能)を開くと見た目がカセットテープの所ですね。その遊び心が好きです!レコーダーの機能はお客様からの急な記録録音の依頼があってもUSBを預かって帰りにお渡しできるのが便利ですね。
MIDAS M32 LIVEを使い始めて約半年間というBox Plus サウンドエンジニア 山岸様からも感想をいただきました。
山岸 様:操作の即効性がいいと感じています。デジタルミキサーの情報は裏ページに隠れてしまっていることが多いですが、M32 LIVEに関しては必要最低限の機能は表に出ており、初見でも不便さを感じることはありませんでした。パラEQ、ゲイン、コンプなど手元に独立してつまみがあり、思ったときに感覚的に操作ができる点においてとてもやりやすさを感じています。
また、Bus送りに関しては『インプットをセレクト』することでそれがどこにどのぐらい送られているかが視認でき、逆に『Busチャンネルをセレクト』することでそこのチャンネルに何がどのくらい送られているかを視認できたり。
良い意味で『人を選ばないデジタルミキサー』だと感じています。
自社でイベントができるイベント会社になっていきたいと思っています。
弊社がここまで広がってこれたのは周りの他業種のみなさんとの連携のおかげです。自分だけではなく、連携している会社さんと一緒に利益が作れて楽しい仕事がしたいです。それで街がさらに面白くなればいいですね。
バンドマンはもちろん、夏は学生たちがエアコンの風を浴びに立ち寄るなど地元の多くの人に愛されるBox Plus。コロナ禍が招いた急速な社会の変化に迅速に対応し、顧客の新しいニーズに応えるために生まれ変わったこのマルチスペースでは、現在、音響や配信環境を活かした企画を募集中です。
もちろん、ホールではL-Acoustics A15 FocusとKS21のサウンドに華やかな照明とプロジェクターを使ったワンランク上の音楽イベントを開催することができます。
神奈川県中央部で最先端の「音」「楽」をサポートするパル音楽産業 様とBox Plusの今後に期待します。
導入機材
L-Acoustics
A15 Focus ×4
KS21 ×4
LA4X ×2
MIDAS
M32 LIVE ×1
Box Plus
神奈川県伊勢原市伊勢原2-5-39 UNOイダビル1F
Tel 0463-97-6800
https://sites.google.com/view/bsi2
(有)パル音楽産業
神奈川県伊勢原市笠窪14-1
Tel 0463-93-9805
https://sites.google.com/view/pare2/ホーム