グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場

2000年4月に、大阪の発展と国際化に貢献するアジア有数の都市型MICE施設を目指して開業されました。
JR大阪駅/大阪メトロ梅田駅から車で約10分の大阪の都心「中之島」に立地し大小28の会場を有する催しに必要な機能が備わった施設です。その中にある、最大2,754席を持つ「メインホール」は学術会議、コンサート、式典、バレエの発表会や講演会など、ありとあらゆる目的に対応できるホールです。

メインホールは大ホールと小ホールに分割して同時に使用ができるフレキシブルな設計になっています。例えば、同じ利用者が大ホール側ではメインになる講演を行い、小ホールでは違う講演を同時に行うことができるなど、お客様のニーズに柔軟に対応できます。

大ホール

大ホール客席

小ホール

小ホール客席

2024年4月にリニューアルオープンしたグランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)に、L-Acousticsをご採用いただいた経緯からご感想までを伺うべく訪問させていただきました。

改修の経緯や課題を教えてください

「開業以来初の全音響機器更新で会場の音をさらに良いものにし、世界的に有名なブランドを導入することにより施設をもっと利用してもらえるようにしたかったのです。」と株式会社大阪国際会議場 施設管理課 主任 古金信一氏。

「経年利用による音の劣化が感じられやすくなってきました。たとえば、いままでの移動スピーカーではメインホール全域をバランスよくカバーする事が非常に困難でした。そういう観点からお客様へより良い音を提供することが課題の一つにありました。」と株式会社コムエンス 舞台管理課 オフィスマネージャー 亀谷康文氏

なぜL-Acousticsを選択されたのか?

大阪国際会議場がL-Acousticsを選択した理由は、以下のプロセスを経て決定されました。

まず、音響機器の選定に際して大阪国際会議場は、技術サービス部門を担当するコムエンスとホール音響に最適な音響設備について議論を重ね、各種メーカーとスピーカーの中からL-Acoustics社の音響システムとスピーカーが、メインホールの音響設備として候補に上がりコムエンスも、L-Acousticsの優位性を理解されており、メインホール全域を均一にカバーできる点を評価し、音響設計と施工の専門家であるジャトーにも相談した結果、施工が技術的に十分可能であるとの見解を得ました。
こうした協力を通じて、L-Acousticsの音響システムが最適解であると結論づけされ、最終的に選ばれることとなりました。

また、移動スピーカーシステムとしてKaraIIを選択した理由は、会議場で行われる催事の内容や利用頻度を考慮し、KaraIIであれば附帯設備としても幅広く活用できると予測されたためです。
以上のような理由から、大阪国際会議場はL-Acousticsを選択しました。

移動システムのKaraIIとSB18、X15 HiQ

アンプラック架

導入システム概要

サウンドビジョンの全体図

固定設備
■プロセニアム 1:下手・上手・中央に、6 x A15i WIDE
■プロセニアム 2:下手・上手・中央に、9 x A15i WIDE

プロセニアム1

プロセニアム2

■ステージフロント:4か所に、4 x 5XT
■バルコニー 1~6:24か所に、24 x 5XT

ステージフロント

バルコニー

■シーリング 1:3か所に、3 x X8
■シーリング 2:4か所に、4 x X8

シーリング1

シーリング2

■シーリング 3:5か所に、5 x X8
■ステージシーリング 1~3:9か所に、9 x X8

シーリング3

ステージシーリング1

ステージシーリング2

ステージシーリング3

■アンプリファイドコントローラー:9 x LA4X・4 x LA2Xi

移動システム
■移動型メイン:下手・上手に、16 x KARA II・8 x SB18
■移動型インフィル:下手・上手に、2 x X15 HiQ
■移動型モニター:4 x X12
■小ホール用 移動型メイン:2 x X12
■アンプリファイドコントローラー:9 x LA4X

音響設計や施工はどのように行われましたか?

最初の設計時にジャトー・サウンドシステム営業課の岩川氏は、べステックオーディオにサウンドビジョンでのシミュレーションのサポートを依頼しました。2階席向け補助スピーカーの一部で予定していた位置に取付られないことが判明したそうですが、取付位置を変更し再度シミュレーションを行い理想の位置に取り付けることができたそうです。また、プロセニアムスピーカー更新する際に既存の開口部内に収まるスピーカーを選択しなければなりませんでしたが、L-Acousticsには条件に合わせたさまざまなラインナップが用意されており、施工技術2課の丸橋氏はA15を収めることができました。その機種選択と取付方法に関してべステックオーディオに相談し、ひとつひとつ問題点を解決しながら無事工事は終了したとの事です。

プロセニアムにL、C、R構成で配置されたA15iWide

プロセニアムの A15iWide ホワイト

最後に改修後の感想を聞かせてください

「弊社以外の外部音響オペレーターからも、難しい調整を行わずとも良い音をお客様に提供できることが絶賛されました。これはアンプリファイドコントローラー内に調整されたゲイン値・イコライザー値・ディレイ値が記憶されているので、煩雑な作業をせずとも良質な音をお客様に提供出来るのです。」「2階席の奥までしっかり音場が整えられており、今まで以上にお客様に均一で良質な音が提供できるようになりました。」と亀谷氏

「毎年【サウンドフェスタ】という音響業界のメーカーや代理店が集まる展示会でこのホールを使っていただいているのですが、その際にスピーカーの試聴会が同時開催されています。今年の試聴会でL-Acousticsと他社スピーカーを聞き比べることができました。1階から2階まで移動して聞きまわり、L-Acousticsはホールのどの場所に移動してもしっかりと明瞭度のある音が聞こえていました。」「このことをいろいろな方に知ってもらいたいと思いますし、今後自信を持って改修した当ホールの音をアピールしていきたいと思います。」と古金氏は締めくくりました。

左から亀谷康文氏、古金信一氏、丸橋主宜氏、岩川好宏氏

グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)
https://www.gco.co.jp/

株式会社コムエンス
https://comens.gr.jp/osaka/

ジャトー株式会社
https://www.jato.co.jp/