株式会社パシフィックアートセンター様に MIDAS HD96-24を導入していただきました
株式会社パシフィックアートセンター様(以降略「PAC様」)にMIDAS HD96-24を導入していただきました。
PAC様は舞台技術の全般をパッケージで提供し、エンターテイメント業界の現場を支えています。また首都圏や近郊の有数なホールの管理も行う企業です。
この度は技術統括本部・音響公演セクション の新田 様と田中 様に導入の理由や使用感などをうかがいました。
HD96-24は導入後、2021年10月に東京 日本橋の明治座公演された舞台『令和千本桜 ~義経と弁慶~ / コロッケものまねオンステージ2021 ~40周年鉄板ネタ大放出!~』で稼働。オペレートを行った田中様からリアルな感想もいただきました。
決め手は「業界標準」で「新しい」
・この度はHD96-24の導入をありがとうございます。PAC様はこれまでMIDASを長年使用してくださっていますね。
新田様:HERITAGE 1000から始まり、小型卓としてVeniceを使用していました。それからデジタル卓が主流になりM32を導入しました。この時はM32のIOボックス(DL32 , DL16)ではなく、後でPRO2を導入したときに流用できるDL251を購入しました。その後PRO2を導入して、この度のHD96-24となります。
・長く使っていただきありがとうございます。5台めのMIDASとしてHD96-24を選ばれた決め手は何だったのでしょうか。
新田様:それまでYAMAHA CLを持っていのですが、ライブハウスの現場ではDiGiCoや、PRO2を始めとしたMIDASの卓が用意されています。これらが使えないと仕事が遅くなるというわけですね。それにうちのスタッフはホール業務でデジタル卓に慣れているのでそれも活かしてあげたい。
そのために業界基準(MIDAS)で新しいもの(HD96-24)が触れる環境を作りたいと思って選びました。価格が手頃なのも良かったです。IOボックスの流用もできたので初期投資も軽減できました。
システム構成
・IOボックスが共有できることも決め手の一つになったということですが、IO周りの構成を教えて下さい。
新田様:IOボックスは DL231×1、DL155×1、PRO2用に持っていたDL251×2です。プラグインでWaves を使いたかったので、SoundGridインターフェースと接続するために拡張カードはKT-MADIカード×1が入っています。
・なるほど。さらにPAC様はKLARKTEKNIK DN9630もお持ちなので外部USB出力に双方向最大24chの転送も可能ですね。
PRO2ユーザーならスムーズに使える
ここからは明治座で公演された舞台『令和千本桜 ~義経と弁慶~ / コロッケものまねオンステージ2021 ~40周年鉄板ネタ大放出!~』でのお話を、オペレーターを勤めた田中様からうかがいます。
・実際にHD96-24を現場で使用されて、どのような感想を持たれましたか?
田中様:それまでPRO2を使ってきたのですが、HD96-24はパッチの設定がタッチパネルでできるようになってスムーズになっていたり、「PRO2が使いやすくなったバージョン」という印象です。PRO2ユーザーならスムーズに使えるようになるのではないでしょうか。
・さまざまなレイアウトが可能になったフェーダーやManchinoなど、たくさんある機能で印象的なものはありますか?
田中 様:まずはタッチパネルでの操作感が良かったです。それから、POPについては数が増えたとか、VCAが入るようになったとか、PRO2と比べて使いやすくなっています。 エリアがA/B分けられるようになり、ディスプレイに「同じもの」or「違うもの」を任意で出せる。PRO2よりも視認しやすくて全て監視できるのが良いですね。
Manchino(マンチーノ)機能は、任意の複数チャンネルのパラメータを一度に変更可能。事前準備(仕込み)時間を短縮するHeritage D 96-24の目玉機能です。
・話題性のある機能だけではなく、視認性や利便性の良さを気に入ってくださったのですね。
HD96-24はDSPをサーフェースに一体化してあるため44kg未満という軽量なのですが、持ち込みの際にその効果はありましたか?
田中 様:確かに本体は軽いですね。純正ケースは重い…のですが安心感はありますし、MIDASのロゴが描かれていてほしかったので純正にしました。
ツーマンオペレート
・お仕事を拝見したところ、2名で同時オペレートされているのが印象的でした。
田中 様:高橋という者と一緒にツーマンオペレートを行いました。これまでもPRO2でやっていたのでHD96-24でもやってみようと思ったんです。何も問題ありませんでしたよ。
コンソールを中心で分け、右16本 Aグループ 田中(様。マイク)、左8本 Bグループ 高橋(様。プレイバック)でオペレートしました。
マイクはエリアAで操作、プレイバックはエリアBで操作して、マイクはPOPを変えても16本しか操作できないようにしました。そしてどちらも常にバックアップと切り替えられるようになっています。
こういうことができるのも良いですね。 EQを使う時は画面が1つになるので、「EQはAが行う」のようにエリアに力関係(役割分担)を持たせてオペレートしています。
・EQはWavesをお使いということですが、HD96-24の内蔵エフェクトも使われますか?
田中 様:ボーカル周りだけはWavesを使いましたが、他のパートのEQやリバーブなどは内蔵エフェクトを使いましたよ。エフェクトのコピペ※ができるようになって非常に作業が早くできるようにもなりました。
新田 様:HD96-24はPro2と比べると明らかに音がきれいになりましたよね。
※ソフトウェア V1.18でエフェクターのCopy&Pasteが可能に。グラフィックEQのオペレートなどが手早く行えるようになりました。
これからの期待
・では最後に、これからHD96-24に期待することを教えてください。
新田 様:hyperMACに接続できる機器が充実する事。あとはiPadの対応を期待しています。
・MIDASはHD96-24を最重要プロダクトとして日々バージョンアップを続けています。引き続きご期待ください。本日はありがとうございました。
コロッケものまねオンステージ2021 ~40周年鉄板ネタ大放出!~
明治座にて2021年10月9日から10月21日まで公演
https://www.meijiza.co.jp/lineup/2021/10/
MIDAS HD96-24
最大144の同時入力チャンネル@96kHzサンプルレート
120のタイムアライメント、フェイズコヒーレント・ミックスバス
大型TFTディスプレイによるマルチジェスチャー・タッチスクリーンユーザーインターフェイス
ほか先進的機能を満載
MIDAS HD96-24の詳細とスペックはこちら
MIDAS製品のお問い合わせはこちら