熊谷文化創造館 さくらめいと 太陽のホールが L-Acousticsシステムを導入
熊谷文化創造館 さくらめいと 太陽のホール様に、2018年3月から、数年にわたる何回かの改修で、L-Acoustics システムを採用いただきました。
熊谷市文化創造館 さくらめいとは、埼玉県熊谷市にある市立のホールです。公募によって決定された「さくらめいと」の愛称で親しまれているそうです。その名の由来は、さくらのまち熊谷の「さくら」と「Music(音楽)」「Art(芸術)」「Theater(劇場)」「Expression(表現)」の頭文字を組み合わせた「MATE(仲間)」を合体させたということです。
主に大ホールである「太陽のホール」、小ホールである「月のホール」、野外劇場「風の劇場」で構成さています。太陽のホールは “美しい響き” をコンセプトに、先進の技術を駆使して作られたシューボックスタイプの客席数1000席の音響重視型多機能ホールで、舞台と客席の一体感を高めるために、客席はバルコニー席とサイドバルコニー席を持つ多層バルコニー形式、舞台はオーケストラピット、舞台後壁大型開閉扉、オペラカーテン等の画期的な装置により、7種類の劇場スタイルを楽しむことができるそうです。前記の舞台後壁大型開閉扉を開放すると、野外劇場「風の劇場」と「太陽のホール」のステージを一体化できる機構を持っています。
また、熊谷市は日本で最も気温が高くなる場所の一つとして知られ、2018年には41.1度を記録したしたそうです。ホールの利用者でない近隣の人が、「まちなかオアシス」として涼むための目的で来館した場合でも、ロビーが開放されており、そういった人も受け入る姿勢を持つ、地域に開かれたホールとなっています。
今回、熊谷市とホールの舞台操作業務で委託契約ををされている、株式会社シグマコミュニケーションズ所属の音響担当、栗田博幸氏にスピーカーシステムの更新に関してお話を伺いました。
市において、スピーカーシステムの入れ替えが検討された理由は、ホールがオープンして20年位経ち、使用してきたシステムが劣化により、安心して使えなくなってきたことや、ポイントソースのスピーカーで会場の後ろ側と前側を狙うシステムが入っており、音量のレベル差や明瞭度の悪い場所がありました。これを改善するために、それぞれのスピーカーに対して音量レベルの上げ下げ、イコライザーでの補正を行ってきましたが、ハウリングが起こりやすくなり苦労をしていました。とにかくどこにいても音を明瞭にしたい現場からの声が反映されたものでした。
その後、このホールにコンサートで外部から持ち込まれたスピーカーを聞いてみて。私はライブサウンドのミキサーでもあるので、自分で使用してみた感想。そして、自分の周りの音響に携わるエンジニアからの意見を参考に市との協議を経て更新機材が選定されました。
導入したシステムは、サイドスピーカーとして片側に、ARCS Focus 3台の下にSB18m 1台の構成で壁の中に納まっています。プロセニアムセンタースピーカーは、SB15m 1台の下にKiva II 6台がフライングされています。これは、壁の色に合わせるためにホワイトバージョンを採用しました。そして、ポータルタワーの内側にステージモニターとして左右1台ずつX8を設置しています。X8はLA2Xi 1台でドライブされ、他のスピーカーは3台の LA4Xでドライブされています。
改修工事は、3期に分かれました。2018年にサイドスピーカー。2019年にプロセニアムスピーカー。2020年にネットワークオーディオに対応したシステム改修を行い、アンプへの入力をアナログからAESに変更しました。1年目の改修後、新しいシステムと古いシステムが混在することで、位相を合わせることに苦労しましたが、2年目の改修でプロセニアムスピーカーがKivaII になったことで、その苦労は全く無くなりました。
たまに外部のオペレーターがこのホールのスピーカーを使ってミックスをすることがあるのですが、古いシステムの時と比べて、音量を上げて欲しい等、細かな要望が減りました。
最終的にすべてのスピーカーが同じメーカーに更新されたことで、幕が1枚取れたような、音がリアルに感じられるようになりました。会場のどこでいても音が明瞭に聞き取れるようになりましたね。今後市民の方々から、このホールは良い音がするホールだと言われるように努力をしていきたいと思います。
熊谷文化創造館 さくらめいと
〒360-0846
埼玉県熊谷市拾六間111-1
TEL 048-532-0002(代)
http://www.sakuramate.jp/index.html