Z2 Entertainmentが、コロラド州のこの歴史的な会場を所有・運営しています。

2023年5月
1906年、Curran Opera Houseが会館したとき、オペラやミュージカルに加えて、当時の最新のサイレント映画を上演してコロラド州ボルダー市にとって文化の中心となりました。1930年代にトーキー映画がブームになったとき、850人収容可能なこの会場はアールデコ調に改装され、「ボルダー・シアター」と新たに名付けられました。100年前と比べて、当然アーティストや公演が大きく変わって、会場のオーディオシステムも何度も改善・更新されてきました。前回のアップグレードから十数年が経ち、ボルダー・シアターはClearwing Systems Integrationが設計・設置したL-Acoustics K3 スピーカーシステムによって、忠実度、パンチ、カバレッジにおいて大きな進化を遂げました。

地元のZ2 Entertainment社は、コロラド州最大の独立系ライブミュージックプロモーションおよびエンターテインメント企業で、ボルダー市を代表する2つの会場「Fox Theater」と「Boulder Theater」が2010年に合併したときに設立されました。ボルダー・シアターの唯一のオーナー兼オペレータとして、Z2は年間200本近い作品が上演されるこの劇場のブッキングを管理しています。劇場の老朽化したサウンドシステムが限界を迎え始めたとき、Z2の制作副部長 のエドワード・リンク三世(Edward Link III)はこのプロジェクトの有力候補として、すでにあるスピーカーブランドを念頭に置いていたと語ります。

ボルダー・シアターの新しいL-Acoustics K3スピーカーシステムの様子。

「Z2に入社する前は、音響会社を経営し、イベントやショーに数多くの異なるPAシステムを導入してきましたが、その中でもL-AcousticsのdV-DOSCとK1が気に入っていました。」とリンク氏は語ります。「その暖かみと深みが、何年も前に私を魅了したものです。 他のブランドと比較することは、コンパクトディスクとビニールレコードを比べるのと同じような感じでした。また、FOHエンジニアとしてツアーしていましたが、なるべくL-Acousticsでミックスをしたかったので、クライアントがRed Rocksにヘッドライナーを務める場合は必ずL-Acousticsシステムを指定していました。だから、ボルダー・シアターのサウンドシステムのアップグレードが必要になったとき、僕にとっては当たり前な選択になりました。」

劇場でいくつかのスピーカーブランドのシステムを比較試聴したあと、Clearwingは最終的にコンパクトでパワフルなL-Acoustics K3システムを指定しました。「劇場で音出ししてみたら、その違いがとても分かりやすかったです。」とClearwing Systems Integrationシステムデザイン&セールス担当のマット・フィリップス(Matt Phillips)氏が言います。「最終的に、お客さんは、K3のSPL、大きさ、重量、柔軟性に加えて、Panflex™を利用することで劇場の独特な楕円形を完璧にカバーできることを高く評価しました。K3が勝者であることはすぐに分かりました。」

今年の頭にClearwingのデンバーチームによってインストールされた新しいシステムは、メインアレイとして片側8台のK3と、その下にグラウンドスタックされた4台のKS28サブウーハーを使用しています。5台のコアキシャルX8エンクロージャーがフロントフィルとして舞台に展開されており、システム全体は3台のLA7.16iと2台のLA12Xアンプリファイド・コントローラーでドライブされ、1台のP1でプロセッシングされています。

左図:片側4台のKS28サブウーハーがグラウンドスタックされています。
右図:5台のX8エンクロージャーがフロントフィルを提供します。

FOHからスピーカーシステムのコントロールとチューニングを可能にするP1は新しいデザインに必要不可欠だったと、フィリップス氏は説明します。「システムのDSPとして使える上に、P1はコンソール間の入力スイッチャーとしても機能します。」と語ります。「コンソールはAvid S6L 24Dで、MILAN AVBでP1に接続されます。AVBからの信号ルーティングにより、会場のエンジニアはライブストリーム、分散型オーディオ、レコーディングなど、あらゆる場所にミックスを送ることが可能です。AESおよびアナログ入力は、ゲスト用コンソールから信号を受け取り、P1のマイク入力はバンド切り替え時にハウスミュージック入力として使用できます。信号は、P1からAVB経由でバックステージのアンプへ、そしてシステムへ送られます。オーディオがAVB経由して96kでコンソールからアンプへ送信されることによって、システムの将来性が高くなります。」

会場の新しいサウンドシステムは、2月3日に行われたアル・ディ・メオラの公演で正式にお披露目され、ショーもシステムも高い評価を得ました。「このシステムの音質とカバレッジは優れたものです。」とフィリップス氏は語ります。「以前のPAと比べて、新しいシステムの明瞭さと音楽性は素人にだってわかりやすいのです。公演は、主にアコースティックギターとパーカッションが中心で、サブウーハーはほとんど使わなかったのですが、それでも低域は十分に存在し、劇場を満たしていました。会場の全員が喜んでいました。」

リンク氏はその反応はすぐに一般化したと説明します。「アーティストとエンジニアからの高い評価に加えて、20年以上にわたって劇場へ足を運んでくれている常連さんが公演の後に、このシステムを導入したことに感謝の気持ちや、そのシステムで好きなアーティストを聴くことに感銘を受けたことを伝えてくれることがよくあります。」

「そして、僕も驚いています。K3はこのスペース全体を完璧にカバーし、美しいステレオイメージを作り出しています。どの席からでもピックがギターの弦をはじく音が聞こえ、ボーカルの息づかいや声の微妙なニュアンスもすべて伝わってきます。EDMや低域が重要な音楽は、すべての周波数が調和して、とてもきれいに再現されており、システムの余裕あるヘッドルームはエンジニアにとってミックスや芸術的な選択の幅を広げます。K3のフルレンジ、KS28の迫力、X8の透明性はボルダー・シアターに完璧に対応していると思います。この劇場のスペースと重量制限にうまく対応できる選択は、これ以上ないでしょう。」

L-Acoustics K3アレイはClearwingのデンバーチームが設置しました。

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