L-ISAはクリスティン・アンド・ザ・クイーンズに荘麗なサウンドを提供
ハイパーリアル・サウンドは、パフォーマンス、アーティスト、オーディエンスの間に新たなつながりを育む
2019年5月
フランスのシンガー・ソングライター・プロデューサーのChristine and the Queens(『Tilted』、『Girlfriend』)は、彼女のスタジオアルバム『Chris』のプロモーション・ツアーにおいて、劇場セット、コンテンポラリーダンス、そして彼女の独特な「freakpop」のユニークな融合をステージで繰り広げました。彼女のワールド・ツアーの一環としてフランスでのコンサートのために、システムエンジニアVladimir Coulibre氏は、パフォーマンスに値するPAを指定し、L-AcousticsのL-ISAハイパーリアル・サウンド・テクノロジーを採用しました。
Coulibre氏は、L-ISAにはアーティストとそのクリエイティブ・チームのオーディオビジュアルの感性や技術に関する理想に対応できる能力があることを理解しました。
「クリスティンのショーは完全なもので、まるで小さな宇宙のようです」と彼は説明します。「たくさんの舞台、照明、音響装置、そして素晴らしいダンスパフォーマンス。観客にストーリーとその意味を完全に理解してもらうために、私たちはすべての曲に対して強い解釈を与えなければなりません。また、ショーはとても演劇的なので、舞台装置が気を散らすものにならないように、クリスティンは装置が見えないようなシステムを求めました。
「L-ISAを使えば、両方を手に入れることができます。サウンドに対して映画のようなアプローチをとることができ、セットの邪魔にならないように複数の短いハングを使うことができます。」
ツアーに技術を持ち込む際、Coulibre氏は熱意とプロ意識を組み合わせたアプローチをとりました。「私は、FOH、プロダクション、ビジネスを踏まえ、創造性、技術、予算の3つの視点から新しいシステムを考えなければなりませんでした。」と彼は思い出します。「これらの3つの条件に応えるためには、このテクノロジについてなるべく学ぶ必要がありました。」
主な要件の1つは、システムの設置および撤収が簡単にできることを確認することでした。解決策として、モーターをフロントトラスに、スピーカーケーブルを含むシステムリグをリアトラスに配置したダブルトラスのシステムを作成しました。「コストは、L-Rシステムのリギングと変わりませんでした」とCoulibre氏は言います。「非常に重要なことに、今回のツアーで行った12回の公演では、L-ISAのリギングに問題は一度もありませんでした。」
「L-AcousticsがL-ISAで採用した技術的アプローチは完璧です。サウンドへの新しいアプローチをとることはものすごい飛躍なのですが、もしあなたがこれまでの経験を一度忘れ、この技術とそれが提供するものを完全に取り組むことができれば、仕事がとても楽しくなります。」
ツアーのさまざまな会場のシステム設計をモデル化し、微調整するために、Coulibre氏は3Dアコースティック・シミュレーション ソフトウェア「Soundvision」を使用しました。彼は、K2の中央ハングx3とKaraハングx2によるシーンシステムと、K2サイドハングx2、Kara拡張ハングx2で構成された9.1 L-ISA フロンタル・システムを指定しました。また、会場の大小に合わせてキャビネットの台数を調整しました。最大の構成となったパリのアコーホテルズアリーナでは、それぞれ16台のK2による中央ハングx3、22台のKaraによるアウトハングx2、14台のK2によるサイドハングと16台のKaraによる拡張ハングx2で構成されたシステムを使用しました。中央ハングの後ろには10台のKS28サブウーハーによる2つのハングがフライングされ、リップフィルは、3台のKiva IIによる5つのグラウンドスタックで構成されています。
ワールドツアーの始まった時は、従来のLRシステムを使用していたので、クルーは従来のSRとL-ISA ハイパーリアル・サウンドを直接比較する機会がありました。「LRシステムのミックスは良かった」とCoulibre氏は言います。「しかし、聴きたいのは、それだけとは限りません。L-ISAが違うことをしているから、私はそれを言っているわけではありません。実は、私は音楽が大好きで、聴いているものと観ているものが一致するのも好きです。この技術はサウンドとステージの間に物理的な相関関係を作り出します。それは間違いなくイマーシブな体験です。」
「L-ISAを使用することで、フランスのツアーで従来のオーディオ配信方法とは異なるアプローチをとることができました」と、FOHエンジニアのJulien Decarne氏は同意して語ります。「それによって私たちはミックスを広げ、本当の空間の感覚を作ることができました。」
Coulibre氏はまた、L-ISAサウンドスケープの高い空間分解能とオブジェクトベースの自然性のため、明瞭度と細部に大きな違いがあることを指摘しています。「様々なニュアンスが聞こえるようになりました。従来のシステムでは、2つのチャンネルで圧縮された楽器が対立して矛盾したように聴こえます。L-ISAを使えば、それが一切起こりません。」</p
しかし、最高の支援は、オーディエンスからの多くの誉め言葉でした。「音の素晴らしさを誉めてくれたり、前回のショーとの違いに気づいたことを伝えるために、人々がわざわざFOHに来たのは初めてでした。」とCoulibre氏はワクワクして述べます。「技術に関連しない会場のスタッフでさえ、普通のサウンドではないことに気づいてくれたのです。」
Coulibre氏は、L-ISAはFOHエンジニアがパフォーマンスの可能性を最大限にするのを助けるだけでなく、SRへのアプローチをより協調的で創造的なものに変えるに違いないと思っています。「なぜかというと、製品、プロダクション、そしてアーティスト間で、新しい関係を必要とするからです。」
「その3つがこのように熱く関わり合うなんて、初めて見ました。見事でした。私にとって、L-ISAはライブサウンドの新しいビジョンです。」