L-Acoustics A15iがセントルイスの新しいサッカースタジアムCITYPARKに新しい風を吹き込む
2023年1月
メジャーリーグサッカー(MLS)は、スタジアムで最も熱気のあるスポーツのタイトルを狙って動き出しています。セントルイス市のMLSフランチャイズであるセントルイスシティSCの新しい本拠地であるCITYPARKは、観客の騒音が大きくなることを念頭に置いて設計されています。2層構造で、フィールドから約37メートル以内にある、リーグ内のアリーナで一番フィールドに近い座席エリアを誇り、合計22,500人を収容する巨大なボウルを作り出しています。4億5700万ドルをかけて2022年11月16日に正式にオープンしたこの会場は、3000人を超えるサポーター専用席を設けて熱狂的なファンの声で、さらに盛り上がった雰囲気を作り出しています。また、街のトレードマークであるゲートウェイアーチに敬意を表してデザインされた屋根は、パンチングアルミニウムでできており、スタジアム内の騒音を抑えながらボウル内で増幅させるような構造になっています。
しかし、その屋根は会場のPAシステムを吊り下げる上で、建築デザインによって文字通り多くの針に糸を通すような難題をもたらしました。これを解決することと、このプロジェクトで必要とされた、卓越した柔軟性、比類のない指向性制御、そして世界クラスの音質は、L-AcousticsのA15iスピーカーだけがもたらすことができる物でした。さらに、インテグレーターのLogic Systemsに属する設備会社Cignalが、会場オーナーが参加させたインテグレーターTSIと緊密に連携して開発した独自の精密なマウンティングプロセスも加わっています。
「これは驚くべき挑戦でした。」と、会場にFOHオーディオコンソールとしてDiGiCo SD12を納入したLogic Systems社のオーナーであるチップ・セルフ氏は驚嘆しています。 「屋根の下にある軒天井は、約6ミリ厚のアルミと粉体塗装でできており、そこから10メートルほど高い位置に鉄板を吊るさなければならなかったのです。通常は、鉄骨に吊るしたら終わりです。しかし、ここでは、会場の上部構造に取り付け、天井に直径1.9センチの穴をあいたものから1.5センチのスピーカーサポートロッドを通すという、極めて細かい独自のリギングインフラを構築しなければなりませんでした。しかも、それらのロッドは穴の側面も含め、屋根のどの部分にも触れてはいけないのです。この新しいリギングインフラが動かないように、斜めのケーブルブレースを張り巡らせる必要がありました。このようなことに直面したのは初めてでした。」
この卓越したエンジニアリングを可能にしたのは、L-Acoustics A15iの選択でした。セルフ氏は、米国で初めてL-Acousticsが導入されたMLSスタジアムで、その軽量と高性能がこの独自のサウンドシステム アプローチを可能にしたと言います。「PAを取り付けるための構造的な問題に加えて、会場の美観にも気を配らなければならなかったため、屋根の下にハードウェアやケーブルなどが一切見えないようにする必要がありました。「A15iは十分に軽くパワフルなので、100台以上のA15iと組み合わせた50台以上のKS21iサブウーハーを、リギングソリューションに負担をかけずに適切な場所に設置することができました。また、A15iには20以上の取り付け可能な箇所があるので、スピーカーを反転させてどんな角度や姿勢、構成で吊っても、それぞれのスピーカーから必要な性能を引き出すことができました。」
「あるものはラインアレイとして、あるものはポイントソースシステムとして設置しました。しかし、どのように配置しても音が全く同じです。これを達成できるスピーカーは世界でも極めてまれです。さらに、A15iのウェーブガイドのオプションにより、構造物に近づけつても、音の反射を避けることができ、高い明瞭度を実現することができました。」
Cignal社は、CITYPARKスタジアムで開発されたこの新しいシステムリギングデザインを、SLUのバスケットボールアリーナ「Chaifetz Arena」やサウスカロライナ大学のフットボールスタジアム「Williams-Brice Stadium」など、他のプロジェクトにも既に導入しています。また、テキサス州ウェーコにあるベイラー大学のプロジェクトでも、この設計を採用することになっています。
「CITYPARKのサウンドシステム設計は、優れたパフォーマンスだけでなく、高い付加価値を求めることに重点を置いていましたが、A15iシステムはその条件を見事に満たしています。」と、このプロジェクトの音響設計とシステムコンサルタントであるME Engineersのシニアアソシエイト、ブレナン・ウィルキンス(Brennan Wilkins)氏は説明します。
彼はA15iがボウルを大音量でエキサイティングな環境にするために必要な出力を提供し、建築的な屋根のデザインとの相性も良いと指摘しています。「A15iは観客の声と競い合うというよりも追従しています。これがPAシステムに求められることです。そして、L-Acoustics製だから、音楽性と優れた音質で、予算内でこれを実現しています。」と語ります。
ウィルキンス氏は、この設計によって実現された一貫したカバレッジにも感銘を受けています。「会場のどこにいても、音もついてきます。会場のどこに座っても、悪い席はありません。このシステムは真に優れています。」
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