ガース・ブルックスの「Friends In Low Places Bar & Honky-Tonk」、L-AcousticsとDiGiCoで 「もうひとつの」ブロードウェイを演出
2024年7月
RIAAダイヤモンド認定アルバムを9枚リリースした史上唯一の音楽アーティストであるガース・ブルックス(Garth Brooks)氏は、カントリー界の偉大なミュージシャンというだけでなく、長年にわたり世界で最も愛されているミュージシャンの1人です。そのため、ブルックスと妻のトリシャ・イヤーウッド(Trisha Yearwood)氏が、ナッシュビルのダウンタウンにある 「ネオン街 」のロウアー・ブロードウェイに、4階建て5100平方メートルのライブハウス、フレンズ・イン・ロー・プレイス・バー&ホンキートンク(Friends In Low Places Bar & Honky-Tonk)のグランドオープンを発表したとき、このアーティストの幅広いファン層の間で大きな盛り上がりを見せました。
新しい会場には、L-AcousticsのA シリーズによるコンサート用サウンドシステムとDiGiCo Quantum225コンソールがFOHに設置され、MADI対応のMQ-Rackステージボックスも完備されています。このフルシステムのデザインと設置は、このスターが長年ツアーで使用しているSRプロバイダー、Clair Globalの常設部門であるClair Global Integration (以下CGIと言う)が担当しました。
このコンサート用サウンドシステムは、この地域の世紀末の都市空間に特徴的な長方形の空間を反映し、会場の大きさに完璧に対応したものです。ステージ左側の長い壁には、A15i Wideエンクロージャー2台の上にA15i Focusが1台、さらに2台のA15i Wideの上にA15i Focusが1台吊り下げられており、左右と前方、メインフロアとかつては2階だった場所を切り取ったバルコニーの両方をカバーしています。
ここでのデザイン上の課題は、両方のレベルに均一で一貫したカバレッジを提供することでした。音量を適度に保ちながらもインパクトを与えるために、バルコニーのアンダーフィルとして14台の同軸X8スピーカーが設置され、各スピーカーはLA7.16iアンプリファイド・コントローラーの16チャンネルのうち1チャンネルで駆動され、残りの2チャンネルはメインフロアのクラブ内、高い位置にあるVIPエリアのX8に使用されています。「そうすることで、バルコニー下エリアの各ゾーンで必要なサウンドを正確に調整することができました。」とCGIシステムデザイナーのジョー・アンダーソン(Joe Anderson)氏は説明します。
加えて、2台のKS21iサブウーハーがA15iハングの後ろに、4台のKS28サブウーハーがVIPエリアの下にある深さ1.22メートルのスペースに設置されています。これにより、シートがガタつくことなく、これらのエリアに大きなLFEインパクトを与えます。The Oasisとして知られるトップルーフバーには、左右にA10i WideとA10i Focus、KS21iサブウーハー1台ずつで構成されるコンサート用サウンドシステムがあり、全てLA4Xアンプリファイド・コントローラーで駆動されています。近くのバーエリアは8台のX8スピーカーとSB10iサブでカバーされ、これもLA4Xで駆動されています。
「DJが夜遅くまでパフォーマンスするトップルーフバーの課題は、うるさくなりすぎずにインパクトを与えることです。」とアンダーソン氏は言います。「CGIの指針のひとつは、ただうるさいだけでなく、素晴らしいサウンドでなければならないということです。」それは、インパクトを与えるためにサブウーウーハーに頼ることで実現されており、屋根によって全体の音量レベルを低く保つことができます。「私たちのゴールは、ここでのサウンド体験すべてのプロダクションバリューレベルを高め、クラブというよりむしろコンサートで期待されるものに近づけることです。Aシリーズは、箱から出してすぐに、そのサイズから想像されるよりもずっとパンチの効いた素晴らしいサウンドを提供してくれます。それを得るために苦労することはありません。」
CGIアカウント・エグゼクティブのダン・ハインズ(Dan Heins)氏は、フレンズ・イン・ロー・プレイスのサウンドの雰囲気作りに深く関わっていました。「ガースさんにとって、歌詞、つまりスピーチの明瞭さは重要です。同じように重要なのは、会話を続けられるように、部屋に適切な種類と量のエネルギーを与えることです。Aシリーズならそれが可能です。ガースさんは初日の夜、そこでプレーしたときにすぐにそれに気づきました。」
ハインズ氏は、コンパクトなAシリーズが「このような部屋の見通しを妨げることなく、我々が望むエネルギーを生み出してくれる。音楽を聴くだけでなく、見るのにも最高の場所です。」とも指摘します。
会場のミキシングポジションは、バーの後方、ステージ左側近くにあります。ここからは、JAG Warner Productions が招いたネイト・ウォーレン(Nate Warren)氏やジャンニ・ガンブッツァ(Gianni Gambuzza)氏などのフリーランスのAVエンジニアが Quantum225 コンソールを利用して、1日に4つのバンドのフロント・オブ・ハウスとモニター・ミックスの両方を担当し、それぞれ4時間のセットを演奏します。
「DiGiCoコンソールのサウンドはとてもきれいで、特にL-Acoustics Aシリーズによるコンサート用サウンドシステムを使用した場合、非常に澄んだ音です。驚異的な明瞭さを維持しながら、ミックスを限界まで押し上げることができると感じています。そして、すべての入力を取得できたら、実際には多くの作業を行う必要はありません。EQやコンプレッションを調整する前に、フェーダーを好きな位置まで上げるだけで、ミックスされたショーのように聞こえます。」とガンブッツァ氏は語ります。
ハインズ氏は、厳選されたL-Acousticsスピーカーから洗練されたDiGiCoコンソールで、フレンズ・イン・ロー・プレイス・バー&ホンキートンクのあらゆる設備が他では味わえないオーディオ体験を生み出すために選ばれていると指摘します。「ガースさんはいつも全力を尽くしてくれます。そして、この新しい会場で、彼はナッシュビルの音楽シーンの中心にそのクオリティへのこだわりをもたらしました。」