2024年7月
ベルリンの中心部で、産業史の遺物がイノベーションの道標に生まれ変わりました。1910年に巨大な天然ガスコンテナとして建てられた、象徴的な鋼鉄の足場で有名なGasometer(ガソメーター)が、今ではEUREF-Campusの開発における最高傑作として建っています。2億ユーロを投じたこの改築は、この建造物の歴史的な壮麗さが保たれただけでなく、最先端技術が注ぎ込まれ、過去と未来が調和した空間を作り出しています。

この生まれ変わった施設の核となるのは、L-AcousticsによるL-ISAイマーシブサウンドテクノロジーです。「ベルリンでユニークなイベント空間を提供するために、高品質なイマーシブ スピーカー システムが必要でした。」と、EUREFのテクニカルマネージャー、イエンス・ブレーツ(Jens Breetz)氏は言います。「L-Acousticsは2016年から私たちのパートナーでしたが、L-Acousticsのシニア・アプリケーション・エンジニアであるトーマス・メールホルン(Thomas Mehlhorn)にL-ISA を紹介してもらったとき、何か素晴らしいものを見つけたと感じました。」


ガソメーターの 1階とギャラリーレベルには、現在、政府の重要な会議からコンサートまで、あらゆるイベントを開催できるように設計された柔軟なイベントスペースがあります。この会場の技術的能力は、物理的なスペースと同様に適応性が高く、ボタンに触れるだけで平らな床から傾斜した劇場のセットアップに変形できる可動式プラットフォームを備えています。

L-AcousticsのSoundvisionソフトウェアが計画段階で重要な役割を果たし、チームがこの独特の円形空間でL-ISAの没入型オーディオ体験を視覚化できるようにしました。「計画中、L-ISAが間違いなく最適な方法であることがさらに明らかになりました。」とブレーツ氏は説明します。「さまざまなコンフィギュレーションに対応するため、非常にフレキシブルなSRシステムが必要でした。会議での認知機能の向上には、音源の定位が重要であるため、没入感のあるシステムが不可欠でした。」

L-ISAのシーンシステムは、4台のA10 Focusと1台のA10 Wideによる5本のハングで構成され、3台のKS21サブウーハーによる2本のハングが中央に設置されています。10台の5XTスピーカーがステージ前面に沿って等間隔に配置され、空間的なフロントフィルを実現します。このセットアップにより、イベントの種類や部屋の構成に関係なく、どの席でも豊かで臨場感あふれるサウンドを体験することができます。

このシステムの多機能性は、BESTIVAL Berlin 2022で試され、プロトタイプがガソメーターのシェルに設置されました。Lightpowerのトラッキングシステムと組み合わせることで、光と音の魅惑的な相互作用が生まれ、会場の将来の能力を垣間見ることができました。

大きなガラス面や半円形の形状など、ガソメーター独特の建築がもたらす課題にもかかわらず、L-ISAイマーシブオーディオテクノロジーは期待以上の効果を発揮しました。「正しい選択をしたことがすぐにわかりました。」とブレーツ氏は言います。「音の反射がほとんどなく、誇れるイマーシブサウンドのシステムが完成しました。」

イノベーションと文化の拠点として新たなスタートを切ったばかりのガソメーターで、L-AcousticsのL-ISAテクノロジーは、あらゆる瞬間を拡大する準備が常にできています。この最先端の空間オーディオ技術は、会議中の会話に明瞭さをもたらし、音楽演奏に没入感を生み出すなど、生まれ変わったガソメーターがベルリンのランドマークであり続けることを確実にします。ガソメーターは、歴史とハイテクが融合して真に素晴らしい空間を創り出す、ヨーロッパの産業遺産を未来に向けて再構想する力の証です。