ハンス・オットー劇場、L-AcousticsのL-ISA テクノロジーを使用して 360°没入型オーディオ体験を実現
2024年5月
2006年にオープンしたポツダムのハンス・オットー劇場の印象的なガラスの壁面は、劇場が建てられているティーファー湖の湖畔を映し出しています。485席の劇場には3つのステージがあり、その歴史は1795年にフレゼリク・ヴィルヘルム2世がポツダム市運河のほとりに王膣劇場を設立したときに遡ります。その後200年以上にわたって名前を変え、さまざまな場所に移転してきました。現在の建物は、象徴的なシドニー・オペラハウスと比較されるような赤い貝殻のような形をしたポール・ベーム(Paul Böhm)氏の設計によるもので、古典演劇、ドラマ、バレエ、現代的な舞台作品、子ども向けの魅力的な演劇など、演劇の世界全体を舞台で紹介する幅広いプログラムが組まれています。
劇場の多彩な公演レパートリーから、音響部門は様々な公演スタイルや観客構成に対応できる汎用性の高いコンサートサウンドシステムを模索していました。現代の劇場においてサウンドデザインの重要性が増していることを認識し、音響部門は観客一人一人にクリアで自然なサウンドを提供できるサウンドシステムを求めていました。反射するガラス面と吊りカーテンが混在する複雑な会場の構造は、音響的な課題も抱えていました。
劇場チームは、この複雑なプロジェクトに取り組むため、ハンブルクを拠点とするL-Acoustics公認システムインテグレーターのProtonesに依頼しました。ノイミュンスター劇場、アイーダ・クルーズ、パラッツォ・ベルリンなどの著名なプロジェクトでL-Acousticsを導入した豊富な経験を活かし、ProtonesはL-ISAイマーシブ・テクノロジーを使用したデザインを提案しました。このデザインは、観客エリア全体にクリアで定位感のあるサウンドを提供し、見た目も美しく、価格も手頃であるため、ハンス・オットー劇場の音響エンジニアリング副部長であるマルセル・シュミット(Marcel Schmidt)氏を魅了しました。「L-Acousticsが製品を紹介しに来たとき、L-ISAインターフェイスのシンプルさと、劇場の隅々まで届くイマーシブ・サウンドに魅了されました。」と、Protonesの設置責任者であるフェリックス・フォルマー(Felix Vollmer)氏はコメントしています。
イマーシブ構成は、3台のA10i Focusと1 台のA10i Wideによる5つのアレイから始まり、メインステージの上に2台のKS21サブウーハーによる2つのハングが配置されました。5XTコアキシャル・スピーカー7台がステージリップ全体に配置され、空間的なフロントフィルを実現。X8コアキシャル・スピーカー10台が側面と背面の壁を囲むように配置され、サラウンド・サウンドを作り出し、2台のX12と4台のX8がオンステージ・モニターとして機能しています。劇場にはリギングポイントがありませんでした。しかし、Protones チームはステージの端やオーケストラピットの手すりにマウント・スペースを見つけ、マウント・スペースがない場所に特別なリギングポイントを作成しました。
「ハンス・オットー劇場は、高い没入感があり、高性能で使いやすい音響システムを求めていました。汎用性が高くなければならず、L-Acoustics が適切なソリューションであると確信していました。L-ISAテクノロジーとXシリーズ、そしてAシリーズのスピーカーを組み合わせることで、観客とスタッフの両方に喜ばれる比類のない没入感あるオーディオ体験が実現します。」とフォルマ―氏は結論付けています。