2024年6月
『レ・ミゼラブル』は、40年近くにわたり観客に愛され続けてきました。今年は、より多くの観客のために特別に演出された新しいプロダクションが世界15カ国で上演され、同ミュージカルでデビューした名優を含む100人以上のキャストが出演します。『レ・ミゼラブルThe Arena Spectacular World Tour』は、今年1月に91,000 平方メートルの台北アリーナで上演され、台北フィルハーモニー管弦楽団とWinly Corporationが導入したL-Acoustics Lシリーズによるコンサート・サウンドシステムがサポートしました。

プロモーターのHIGH WINは、13,500席のアリーナにライブ・スピーチ、歌、オーケストラ、そしてプログラムされた音響効果にしっかりとしたオーディオを提供するプロフェッショナルなサウンドシステムの設計をWinlyに依頼しました。「私達は、コンサートホールで行われる伝統的なミュージカルシアターコンテンツを扱っていました。」とWinlyのPAおよびサウンドシステムエンジニアであるスコット・クオ(Scott Kuo)氏は説明します。「私たちのシステムデザインは、コンサートホールのような体験を広大な空間で提供する必要があったので、コンサートグレードのパワーと明瞭度を持つLシリーズを採用しました。」

Soundvision 3Dオーディオモデリングソフトウェアは、Lシリーズが全長76mのアリーナ全体に比類のない一貫性を提供し、全ての座席にインパクトを与えることを示しました。Winlyのサウンドプロデューサー、アンディー・チェン(Andy Chen)氏は次のように語っています。「素早く設置できたので、ライブオーディオチームは、この特別な作品『レ・ミゼラブル』の大勢の俳優やミュージシャンが必要とする複雑なミックス作りにすぐに取り掛かることができました。「オーディオ・クルーは、タイトなツアースケジュールの中で素早く仕込み、LA Network Managerを使ってテストとチューニングを行い、その後、ミュージカルのショー前の宣伝活動や初日前の技術リハーサルのためにアリーナを空けることができました。」

 

システムは、アリーナの1階と2階の観客席をカバーするために、3台のL-Acoustics L2と1台のL2Dによる2本のメインL/Rハングで構成されました。メインハングの後ろに6台のL-Acoustics KS28サブウーハー 2セットがフライングされ、さらにカーディオイド 構成でグラウンド・スタックされた3台のKS28サブウーハー 2セットがアリーナ全体に低音の明瞭度を提供しました。12台のKara IIがフロントフィルを提供し、2階のウィング座席エリアは、片側1台のL2と1台のL2Dで構成されるサイドフィル システムでカバーされました。片側2台のL2で構成されるディレイシステムは、3階と4階の観客席をカバーしました

ステージ上では、俳優とオペラのヴォーカリストは、ステージ前方に配置された12台のX15スピーカーがクリアなモニタリングを提供しました。ライブオーケストラの演奏者は、各楽器セクショングループに配置された10台のX8スピーカーと5台の5XTコアキシャルボックスを使用しました。また、ステージ上のすべてのパフォーマーは、ステージの四隅に配置された4台のX12スピーカーを使用し、モニターエンジニアは2台のX15モニターでミックスを行いました。

LA7.16LA12X、LA8アンプリファイド・コントローラーの組み合わせでメインとモニター・システムを駆動し、LS10スイッチを介してMilan AVBネットワークで運用されるL-Acoustics P1プロセッサーを使用しました。 Lシリーズに内蔵されたカーディオイドは、ステージ上への回り込みを20dB減少させ、パフォーマーのモニタリングをより明瞭にしました。

納入から導入、テストに至るまで、L-AcousticsのAPACアプリケーションディレクターであるアルビン・コー(Alvin Koh)がクオ氏とチェン氏のWinlyチームをサポートし、2夜にわたるレジデンシーでのスムーズで効率的な技術的プロセスを実現しました。

記者会見でミュージカルのディレクターは、『レ・ミゼラブル The Arena Spectacular World Tour』の台湾公演をL-Acoustics Lシリーズで上演できる喜びを語りました。「この人気ミュージカルのツアーに参加できたことを光栄に思います。L-Acousticsの特徴的な音質と、台北アリーナでのL2の最先端技術による優れたカバレッジとダイナミックな周波数特性に、制作スタッフ全員が満足しています。」とWinlyのチェン氏は締めくくります。