ナザレ・ルーテル教会は、新しいL-ISA Processor IIを使用してイマーシブ・サウンドにリーズナブルな価格でアップグレードした礼拝スペースの仲間入りをしました。

Vantage Proは、スケーラブルな新しいL-ISA Processor IIにより、包み込むような魅力的なサウンドをより広い範囲で中小規模の教会にもたらします。

2022年10月
アイオワ州シーダーフォールズの肥沃な土地を求めて入植したデンマーク人農民を中心に、1871年に設立されたナザレ・ルーテル教会は、150年の間に様々な変遷を遂げてきました。他の多くの教会と同様に、日曜日には伝統的な聖歌隊・オルガンの礼拝と現代的な礼拝の両方を行い、教区民の好みの礼拝スタイルに対応できるようにしたことも、その変化の一つでした。

今年、ナザレ・ルーテル教会では、PAシステムを更新し、音楽ジャンルに応じた優れたサウンドを提供する上に、次世代の礼拝者にも対応できるシステムにすることで、別の方法での最新性を維持することに努めました。この決断は、中規模の教会に次世代音響技術を導入する上で重要な役割を果たすL-Acousticsの新しいL-ISA Processor IIを搭載した、イマーシブ・サウンド・システムの導入でこの夏に実現しました。

「この教会では、日曜日の朝に聖歌隊、オーケストラ、オルガン、鐘を使った伝統的な礼拝が行われ、その45分後にはステージにバンドが登場します。」と語るのは、L-AcousticsのL-ISAイマーシブ・テクノロジーとAllen & HeathのdLive C3500コンソールを含む教会の音響システムの全面的な改修を実施したAVシステムインテグレーターVantage Pro社のインテグレーションリーダー、デューク・デヨング(Duke DeJong)氏です。

L-ISAの新しいシステムは、多くの点でこのような伝統的な教会建築の音響的な課題に対応しながらも、将来を見据えたものとなっています。合計23台のL-Acoustics A10i Focusと11台のA10i Wideスピーカーが、5つのアレイによるシーンシステムと、2つの拡張アレイおよび2つのアウトフィルアレイを構成し、6台のKS21iコンパクトサブウーハーによるセンターハングで補強されています。バルコニーの最後列席をカバーするために5台のコンパクトな5XTエンクロージャーが天井に設置されており、7台のLA4Xアンプリファイド・コントローラーがシステム全体をドライブしています。

L-Acousticsの10ポートMilan-AVBスイッチLS10がシステムのネットワーク・インターフェースとして機能し、dLiveミックスエンジンのMADIカードがコンソールとPAとの接続を担っています。L-ISA Controllerソフトウェアは、FOHにある別のコンピューター上で動作し、このシステムのオブジェクトベースのイマーシブ・ミキシングを管理します。一方、コンソールはレベルとダイナミクスのコントロールにのみ使用されており、主にボランティアで活動している教会の技術チームにとっても、分かりやすく使いやすいものとなっています。このシステムは教会の音響技術の数十年先を見据えたものとしてデザインされています。

教会の新しいスピーカーシステムは、34台のA10iエンクロージャーによる9つのアレイと、6台のKS21iサブウーハーによるセンターハングで構成されています

「最初の仕事は、教会の様々なタイプの礼拝に対応するサウンドシステムを設計することでした。」とVantage Proのプロジェクトリーダーであるマーク・ブレダ(Marc Breda)氏は説明します。「牧師はそれを望んでいましたが、同時に将来的に教会を支えられるようなシステムであることも望んでいました。」 シーダーフォールズには、1万人を超える学生が在籍するノースアイオワ大学があるので、当然といえば当然です。「教会は洗練された音に慣れ親しんだ若い世代にも興味を持ってもらえるようなシステムを求めていました。L-ISAはそれを可能にしています。」と語り続けます。

同教会の音楽ディレクターであるナサニエル・パリッシュ(Nathaniel Parrish)氏は、新しいサウンドシステムがナザレ・ルーテル教会にもたらした音の変化は計り知れないと語ります。「L-Acousticsのスピーカーシステムは、明瞭さと充実感を大幅に向上させました。」と語ります。「最近、25人のシンガーとミュージシャンがステージに上がるイベントがありましたが、とても素晴らしいサウンドでした。古いサウンドシステムでは決してそれを実現できなかったでしょう。」

その思いは、FOHのミックスポジションを担当する者も共通です。「オーディオエンジニアとして20年の経験を持つ私にとって、アナログからデジタルへの移行が最大のハードルでした。この移行は、私のミキシング方法、そして教会や様々なイベントでのミキシング方法を大きく変えるものでした。」とオーディオ担当者のダン・オルセン(Dan Olsen)氏は語ります。「しかし今、次の大きな変化は毎週末に私の目の前にある、L-AcousticsのL-ISAなのです。オーケストラや聖歌隊をリードボーカルやリード楽器とは別の空間に配置することができるので、この環境に空間を作り出すことができ、ミックス全体のサウンドを驚くほど向上させることができます。オブジェクトをその場で移動させたり、どのグループがどれくらいの頻度で入ってくるかによってプリセットを作ったりすることも、とても簡単にできます。他のシステムでは作れなかったものが作れて楽しいですね。」

ナザレ・ルーテル教会は先進的な教会ですが、財政面では現実的です。1,200席のこの教会は比較的中規模で、予算重視の傾向があります。そのため、昨年末にL-ISA Processor IIが登場したことが、大きな違いをもたらしました。L-ISA Processor IIのライセンスの拡張可能性により、ナザレ・ルーテル教会では制作に必要な出力数を選択することができ、コストを大幅に削減することができました。また、L-Acoustics Aシリーズのエンクロージャー、特に小型のA10iの仕様と相まって、教会にとってこのシステムは当然の選択でした。

「新しいL-ISA Processor IIは、このような教会にとってイマーシブ・サウンドを提供するという考えをより身近なものにしてくれます。」とブレダ氏は付け加えます。「この教会では64チャンネルのオーディオシステムを使用しているため、決して大掛かりなものではありません。しかし、彼らの日曜日のプログラムは非常にダイナミックで、あらゆるプログラムで信者を喜ばせる上に、教会のサウンドを将来に向けて整備したいと考えていました。」

「新しいプロセッサーは、彼らにとってちょうどいいタイミングで登場しました。」とデヨング氏は付け加えます。「そして、さらに多くの中規模の教会にも導入されることが期待できると思います。」

プリントアウト版はこちらから