ParamoreがL-Acoustics K2でThis is Whyを世界に広める
2023年5月
Paramoreは2月に6枚目のスタジオ・アルバム『This Is Why』をリリースし、3月に南米、4月にイギリスを訪れ、2017年の『After Laughter』に続く待望のアルバムを引っさげて短期間のツアーを行いました。現在、5月23日から8月2日まで北米アリーナツアーを行っています。現在Eighth Day SoundはClair Globalの傘下にあり、過去6年間Paramoreの音響機材の供給を行っています。今年のイギリスとアメリカの公演では、FOHエンジニアのトラヴィス・ビング(Travis Bing)氏がL-AcousticsのK2オーディオシステムを選択しました。
「Paramoreとの仕事は13年目になります。」と、昨年までグループのモニター・エンジニアを務め、その後FOHミックスに転身したビング氏は語ります。「バンドにとってL-Acousticsは初めてですが、Dashboard Confessionalのツアーで私は使ったことがありますし、様々なフェスティバルでKシリーズアレイを使って他のアーティストのミキシングをしたこともあります。その経験から、L-Acousticsはすぐに私のお気に入りのミキシングシステムになりました。だから今年のアリーナ公演の機材を決めるとき、L-Acousticsを選びました。」
バンドの新しいツアー機材は、合計60台のL-Acoustics K2エンクロージャーで構成されています。メイン用に片側18台、サイドハング用に片側12台がフライングされています。さらに片側16台、合計32台のKara IIが270°までカバーするために配置されています。LFを強化するために、10台のK1-SBが低域拡張としてメインアレイの後ろに吊られ、カーディオイド構成で片側6台のKS28サブウーハーがグランドスタックされています。8台のA10 Focusがフロントフィルとしてステージリップ全体に広がっています。これらのシステムは3台のP1 MILAN AVBプロセッサーと組み合わせた48台のLA12Xアンプリファイド・コントローラーでドライブされています。また、2台のセルフパワード108Pは、ビング氏のSSL L650 FOHコンソールのリファレンスモニターとして使用されています。
システム・エンジニア兼FOHテックのブライアン・サンカス(Brian Sankus)氏は、「L-Acoustics P1をM1測定スイートとともに使用し、メイン・オーディオにはAVBを使用しています。P1は最近の私がL-Acousticsを展開する上で必要不可欠なもので、1台がアンプラックに置かれ、全てのマスターとして機能します。AVBをFOHからプライマリーとして、セカンダリーとしてAESをもらい、最悪の場合モニターからアナログをもらいます。入力フォールバックは3重の冗長性があるため、ショーは確実に続けられます。M1は、EQが1つの場所ではなく、会場全体にどのように反映されるかを把握するのにとても役立つ素晴らしいツールです。チューニングをより素早く行うことができます。」と述べています。
サンカス氏は、バンドのメンバーが観客の近くで演奏することを強く主張しているため、ステージの高さを1.5mに設定し、バリケードもステージから1.5m以内に配置していると述べています。「このような配置により、必要な場所にエネルギーを集中させることが非常に重要だと強調しています。K2とK1-SBを一緒に使用することで、メインをしっかりとカバーし、メインとフロントフィル間のギャップを大幅に減らせます。また、最前列とステージ上のバンドの両方でローエンドを意識しており、フライングされたK1-SBとグランドスタックされたカーディオイドのKS28のおかげで、ローエンドの方向性を管理しています。」と説明しています。
彼はさらに、「デザインについては、最前列から最後列まで同じようにカバーすることを目指しています。」と述べています。「今はソーシャルメディアの時代ですから、ライブの直後、あるいはライブ中であっても、動画がオンラインにアップされます。ライブパフォーマンスがデジタル・マルチメディアのフォーマットにうまく変換されることを確保することが重要で、特定のエリアを台無しにしないことが日々の目標です。」
ステージ上に7人のミュージシャンが、70以上のインプットを作り出すParamoreの拡張されたツアー編成は、彼らの音楽とライブパフォーマンスに多くの層を作っています。「ただ、ゲインを上げていくということ以上に、重厚なサウンドを保ちながら、空間と次元を見出そうとすることなのです。」とビング氏は説明しています。「また、バンドの曲目は年々変化しているので、ハードでスピードのある曲から、よりリズミカルでダイナミックな曲まで、セットリストの中で連続して演奏することは、毎晩、ミキシングにチャレンジをもたらすことになります。」
「去年の秋に、より小さい規模の会場を回って短期の米国ツアーを行いましたが、PAを持ち運んでいませんでした。L-AcousticsがPAの時は、ミックスが速くまとまり、音楽性が優れていました。バンドのショーによくあるアグレッシブな曲とダイナミックな曲の連続に余裕で対応できるので、引き続きL-Acousticsを使いたいと思います。毎晩違うPAでミキシングを行うのは常に用心深い状態でいる必要があり嫌ではないのですが、やはり優れた一貫性に感銘を受けますし、これからもっと大きな会場で、ミックスの音楽性を探ることを楽しみにしています。」