ピーター・フランプトンのフィナーレ – L-Acoustics K2サウンドシステムによる別れのツアー
53年間のキャリアに終止符を打ったピーター・フランプトンは、この夏 SolotechのK2システムによってツアーを行いました
2019年10月
ピーター・フランプトンは次世代に強い影響を与えた英国のブルース・ロック・バンド「ザ・ハード」「ハンブル・パイ」で半世紀以上前にデビューしました。1976年に公開された彼のLPレコード 『Frampton Comes Alive!』も伝説のアルバムとなりました。これが最期となる『ピーター・フランプトン・フィナーレ ―― フェアウェル・ツアー』は、完璧でなければなりませんでしたが、そのサウンドシステムのおかげで、成功に終わりました。
ツアーのSRプロバイダー「Solotech」は、6月18日にタルサで始まり、10月12日にサンフランシスコ・ベイエリアで終わったツアーのすべての会場に最適なシステムを提供しました。L-Rのハングは、それぞれ18台のK2スピーカーで構成されました。各側に8台のKS28サブウーハーと、アウトフィルとして18台のKaraがフライングされました。フロントフィルとして8台のX8ショートスロースピーカーと、各会場の条件に応じてフライングまたはスタッキングされた8台のARCS IIのサイドフィルが追加され、サウンドが強化されました。8台のLA-RAK IIユニットにマウントされた12台のLA12Xアンプリファイド・コントローラーでメインPAエレメントをドライブするとともに、2台のLA-RAK内にマウントされた6台のLA8がX8およびARCS IIエンクロージャーをドライブしました。
9月13日のニューヨークのマディソンスクエアガーデンでの公演では、広いステージをカバーするために、K2ハングを横に移動し、グランドスタックされた4台のKS28と、12台のK1の下に2台のK2を取り付けた新しいメインシステムを追加しました。
「K2は私のミックスに理想的な真っ白いキャンバスを提供してくれます。」と、5年間フランプトンのFOHエンジニアを務めてきたジム・ヤカブースキ氏は述べます。「私はツアーに持って行くPAを選ぶことは滅多にできませんが、選べるときは常にL-Acousticsを選択します。最近のPAシステムは非常に良くなっていますが、他のものよりL-Acousticsを選択することには多くの理由があります。」
音質に加えて、ヤカブースキ氏は劇場やアンフィシアターからアリーナまで、さまざまな会場を利用するツアーにK2がもたらす貢献を高く評価しています。「このツアーで自分達のシステムを使う予定だと言われたとき、さまざまなタイプの会場があるのを見て、K2が必要な柔軟性を提供してくれることに気付きました。」と説明します。「軽量・高出力のおかげで、他のラインアレイシステムよりも多くのエンクロージャーを吊ることができ、より多くの座席を余計なエレメントを必要とせずカバーできます。」
ピータ―・フランプトン自身は、スティーブ・ミラーとのツアーで使用したK1 / K2の混合システムを経験があったため、すでにL-Acousticsのファンになっていました。「ピーターは『それだ。L-Acousticsを使おう!』と言っただけでした。」
「K2システムは完璧に機能した」とツアーのシステムエンジニアであるカーター・ハセブルーク氏は述べます。「このバンドは素晴らしい。すべてのショーで楽器の音が明確に聴こえていました。筋力が徐々に低下する封入体筋炎を患っているフランプトンが最終的にギターを弾くことができなくなる可能性を告白したことを振り返って、ハッセブルーク氏はこう加えて語りました。「とても感動的なツアーでした。このツアーでのピーターの演奏とボーカルは、これまで以上に優れていたと言えないまでも良いものでした。K2がそれを実現させました。」
また、彼によると、システムは最新のL-Acoustics Soundvisionソフトウェアの恩恵も受けたとのことです。「私は長年Soundvisionを使用してきましたが、設計の最初の段階で、毎晩システムをすぐに理想的な位置に近づけることができます。普段ソフトウェアのオートスプレイ機能を使って角度を設定することに懐疑的ですが、このバージョンのSoundvisionでは、ほぼ瞬間的にそれを可能にするため、時間を大幅に節約できます。そして、ゾーンのFIRフィルターも、SPL的に理想に近いものになるので、システムを1〜2 dB微調整するだけです。
低域に関して、私たちの目標はベースギターの旋律をすべてのレベルで均等に上下させることでしたが、Network Managerの「Array Morphing」ツールはK2とKS28間のつながりを美しくスムーズにしました。サブウーハーに60Hzカーディオイド設定を適用することで、ステージ上のローエンドを制御することができ、ステージ上の音はハウスと同じくらい良好でした。前から後ろまで滑らかなサウンドでした。」
『Peter Frampton Finale – The Farewell Tour』は10月12日にコンコードパビリオンで閉幕しました。ピーター・フランプトンが最期のツアーを告げたこのショーは、感動的なひと時となりました。ハッセブルーク氏とヤカブースキ氏は、最後のショーの最後の曲の後、フランプトンがクルー全員をステージに連れて来て、観客の前で彼らに感謝の気持ちを表した感動的な瞬間を覚えています。
「私は自分がその一部になったとはまだ信じられません。」とハッセブルーク氏は述べます。「それは私のプロとしての人生で最高の経験になりました。」 ヤカブスキー氏は、「私たちは悲しい気持ちで残りのショーをカウントダウンしていました。ツアーを終わらせたくありませんでした。でも、ピーターは最後まで力強く歌い、弾いていました。そして、PAシステムにより、最後の音を正確に、はっきりと聴かせてくれました。」