2024年7月
ベル・エポックを象徴する大女優サラ・ベルナールが約20年にわたり舞台に登場し、最初にサルトルの戯曲を上演したパリ市立劇場(Théâtre de la Villeテアトル・ド・ラ・ヴィル)は、世界で最も権威ある劇場のひとつとしてその地位を確立しています。150年の歴史を通じて、この会場はあらゆる種類の作品を上演してきまして、今日ではモダン・ダンス、演劇、ワールド・ミュージックを上演することで知られています。19世紀の建物に21世紀のイノベーションを導入するために7年をかけて行われた大規模改修を経て、パリ市立劇場は再びテクノロジーの最先端に立ち、BLiveが設置したサウンドシステムを通じて観客にL-ISAによる没入型体験を提供できるようになりました。

パリ市立劇場は、ほぼ10年にわたり、イマーシブオーディオの理想を実現する完璧なシステムを探していました。改修工事の一環として、同劇場は、長年の技術パートナーであり、同劇場と深い親交のあるL-Acoustics認定パートナーのBLiveと協力して、没入型システムのデモに何度も足を運びました。最適な音響性能が最大の目標であったため、歴史的建築物による重量制限と設置場所の制限、そして多岐にわたるプロダクションに対応するための多用途性が重要視されました。




慎重に検討した結果、市立劇場にL-AcousticsのL-ISAテクノロジーが最適であるという結論に達し、20.1に決定しました。シーンシステムは、8台のKiva IIの上に2台のSB15mを5組吊り下げ、6台のKS21サブウーハーによるセンター・クラスターを配置しました。会場の側面、バルコニー端と天井には13台のX8が吊り下げられ、客席のパルテールにサラウンドサウンドを提供し、さらに壁に設置された17台の5XTスピーカーがバルコニー下の客席にサラウンドサウンドを提供します。「フルサラウンド構成は、空間の美しさを損なうことなく、卓越した音質を提供します。」と、仕様の決定から設置に至るまで、エンジニアと専門家のチームを率いているBLiveのアレクサンドル・トラモンタン(Alexandre Tramontin)氏はコメントしています。

LA7.16iアンプリファイド・コントローラー5台は、その低消費電力とチャンネル数の多さから、ラックスペースとケーブル配線の削減が可能であるとし採用されました。LA7.16iは、必要な時には優れた出力を提供しますが、そうでない時には最小限の電力しか消費しないため、他の類似システムと比較して消費電力が30%削減されました。




プロジェクトの成功に不可欠な要素は、市立劇場とBLiveとの緊密なコラボレーションでした。BLiveは、劇場が望ましい結果を達成するために特に積極的な役割を果たしました。またBLiveとL-Acousticsは、すべての市立劇場スタッフに新しいシステムに関する総合的なトレーニングを実施し、ステレオから完全没入型サラウンドサウンドへのプロセス対応をサポートしました。

市立劇場、歴史的なものと現代的なものを融合させ、何世代にもわたって来場者とパフォーマーを満足させることができる、世界でも最も天才的で先駆的なスペースのひとつとしての地位を向上させました。市立劇場の音響マネージャー、ブノワ・グピヨン(Benoit Goupillon)氏は次のように締めくくっています。「このプロジェクトにおけるL-Acousticsのサポートに大変満足しています。技術的、芸術的に大きな制約がある中で、適切かつ洗練された解決策を提案し、環境問題に対する当方の関心にも耳を傾けてくれました。数ヶ月間集中的に使用した結果、このシステムを手に入れたことを誇りに思っています。我々の意見では、繊細さと効率性を備えたショーのためのSRの品質に大きな進化をもたらしました。」