ツインタウンズリゾートがオーストラリア初のL-Acoustics K3システムを導入
Norwestは、ライブミュージック会場「ショールーム」にK3、A10i、KS28をインストール
2022年7月
ツインタウンズリゾートのショールームは、ニューサウスウェールズ州ツイードヘッズにある有名な会場です。ツインタウンズリゾートは、サマータイムのあるニューサウスウェールズ州ツイードヘッズ市と、それが無いクイーンズランド州ゴールドコースト郊外のクーランガッタ市との境にあることからその名がつき、サマータイムによる時差のおかげで道を渡るだけで、新年を一晩に2回祝うことができるのです。何十年にもわたって、1,000人収容可能な「ショールーム」の理想的なロケーションは、気候とナイトライフを楽しむためにオーストラリア各地からやってくる行楽客にとって、この地域のライブシーンの中心となっています。クラブの通常プログラムにはスタンダップ・コミック、株主総会、トリビュート・バンド、ヘビーメタル・ショーなどがあります。
「ショールーム」のロケーションは理想だといっても、サウンドシステムはそうではありませんでした。時間経過とともに、会場を訪れるミックスエンジニアから、会場の後方で良い音を得ることが難しいと意見が増えてきました。そこで、ツインタウンのオペレーション兼プロダクション・マネージャーであるラクラン・ドナルドソン(Lachlan Donaldson)氏は、コロナ禍のクラブの休館期間を利用して、オーディオテクノロジーのアップグレードを実施しました。クラブのイベントやショーが中止・延期となり、広報活動や マーケティングの予算が軽減し、ドナルドソン氏は、新しいFOH PAシステムの購入に資金を充てることができると考えました。このシステムは、ライダー適応性の高い、1,000人規模の会場のカバレッジ問題を解決できる必要がありました。さらに、フラットフロアーの立ち見のみができるエリアと、スロープあるエリアとが混在したエリアなど、会場の変化に対応できるような柔軟性も求められました。この汎用性の高いPAは、会場を訪れる様々なアーティストの厳しいプログラム条件にも対応する必要がありました。
「役員会には、2つの重要な意見がありました。」とドナルドソン氏は説明します。「1つ目は、新しいPAは、より質の高いアーティスト誘致できること。2つ目は、労働安全衛生の議論であり、おそらく役員会が最も注目した点でしょう。業界で広く受け入れられているPAを導入すれば、バンドが機材を持ち込まないので、敷地内での労働災害の可能性を大きく減らすことができます。」 ドナルドソン氏の提案は職場のリスクを最小限に抑えたいという役員会の心理にヒットし、アップグレードにゴーサインが出され、クラブが質の高いエンターテインメント施設としてその地位を維持する可能性へと導きました。
シドニーとブリスベンに拠点を置くオーディオビジュアル企業で、NWグループに属するNorwest社は、ドナルドソン氏から「ショールーム」のスピーカーシステムデザインを依頼されました。NWグループのCFOであるグレーム・ホワイトハウス(Graeme Whitehouse)氏は、同社が提案した2つのL-Acousticsシステムのうち、「ショールーム」が採用したのは、新しくリリースされたK3に基づいたデザインだったと説明します。
ドナルドソン氏は、会場の役員会と協力して、K3システムのメリットを割り出しました。「もし、会場がK3のようなモデルを購入できるかどうか悩んでいるのであれば、少なくとも10年間のショーごとにPAにかかる費用を計算してみてほしいと思います。毎週機材をレンタルしないことで、どれだけの節約になるかを計算してみてください。特定のショーや企業イベントのために、新しいシステムをいくらでレンタルできるか、計算してみてください。資本コストが非常にリーズナブルであることにすぐに気づくはずです。」とドナルドソン氏は説明します。
ドナルドソン氏は、このプロジェクトを長期的な投資として考えています。「K3は新しいスタンダードになるわけですから、その最前線に立ちたいと思ったのです。私たちは、限界を打ち破りたいのです。」と彼は続けます。その後、ドナルドソン氏はNorwest社と協力し、クラブの投資がK3のパワーを生かした優れた技術的品質につながることを確認しました。
「ショールーム」にシステムが設置される前のSoundvisionでは、システム全体のレスポンスが示されており、全ての座席でわずかに±3.5dBの差異があるだけで、全体的に均一なカバレッジになっていることが確認できました。これにより、会場後方の問題も解決され、前方と同じようにダイナミックでクリアなオーディオ体験を確保することができました。Panflexの可変水平指向性はA10iアウトフィルとともに、会場の形状に合わせた正確な指向性制御を実現しました。
システムは、クラブのステージの両側に6台のL-Acoustics K3アレイで構成されています。ステージ下には4台のKS28サブウーハーが低域を鳴らします。アウトフィルとサイドフィルは、L-Acoustics A10iボックスが対応し、Panflexテクノロジーを利用して部屋の形状に合わせたディスパーションを実現しています。2台のA10iがセンターフィルを、左右に1台のA10iが左右最後尾の座席をカバーします。A10iを2台ずつ使用した2つのアレイは、会場後方の小さなエリアをカバーし、使用しないときは無効化することができます。ステージのフロントフィルには、目立たないL-Acoustics 5XTコアキシャル・ポイントソース・スピーカーを使用し、観客の最前列にカバレッジを提供します。システム全体はLA12XとLA4Xアンプリファイアード・コントローラーにてドライブされています。
今年初め、ツインタウンズの取締役は、完売した伝説的なオーストラリアのロックミュージシャン、グレン・ショーロック(Glenn Shorrock)とシンガーソングライターのブライアン・カッド(Brian Cadd)が率いる『Two Amigos』ショーに立ち会いました。役員は、ミュージシャンや技術スタッフ、リゾートの経営陣にとっても、このシステムが価値のある投資だと判断しました。
ドナルドソン氏は、オーストラリアで初めてL-Acoustics K3を導入したことで、今後何年にもわたってツインタウンの「ショールーム」を盛り上げていくことができると考えています。「音楽の世界では、劣悪な機材を使うことは許されないと思います。なぜなら、お客さんがお金を払ってライブを体験してくれているのだから、最高の状態でそれを提供しなければならないからです。さもなければ、お金を払ってくれているお客さんのためにならないものですね。」
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