2024年2月
ニューヨーク市の西とフィラデルフィアの北の交差点に位置するペンシルベニア州ベスレヘム市は、ウインド・クリーク・イベント・センターで、過去十数年にわたってトップクラスの音楽、コメディ、その他のアーティストに舞台を提供してきました。かつてはアメリカの鉄鋼業の中心地であったベスレヘムは、最近ではロック・ツアーのおなじみの地となっており、2024年はBreaking Benjamin、Daughtry、Ministry、Aaron Lewis、The Black Crowes、In This Momentらによるエネルギッシュなショーが開催されることになっています。ウインド・クリーク・イベント・センターでは、John Legend、Air Supply、The Temptations、Jerry Seinfeld、Gabriel “Fluffy” Iglesiasなどが公演を行う予定です。今年初め、3,500人収容のこの会場は、ホーシャムを拠点とするL-Acoustics公認プロバイダーBauder Audio Systemsによる新しいLシリーズ・コンサート・サウンド・システムの設置で新たな幕開けを飾りました。

Vision Entertainment Groupが所有・運営し、Wind Creek Casino and Resortの敷地内にある約3,700㎡を誇るWind Creek Event Centerは、それぞれ専用のLA7.16アンプリファイド・コントローラーで駆動される片側2台のL2の下に1台のL2DエレメントによるLシリーズ・システムでカバーされています。システムは、LA4Xでドライブされる5台のA10iによるアンダーバルコニーフィル、2台のA15i Wideによるディレイ、10台のKiva IIによるフロントフィルと、3台のLA12Xでドライブされる10台のKS28グランドスタックで補完されています。システム全体は、Milan AVBネットワークを介してP1プロセッサで管理されています。

Bauder Audio Systemsのプロダクション・マネージャーであるブライアン・ナーブ(Brian Naab)氏によると、会場の関係者がLシリーズについて初めて耳にしたのは、昨年のコーチェラでLシリーズを体験したMatchbox 20のFOHエンジニアからだったそうです。「会場が当時のPAシステムの交換を検討していた時期に、同バンドがイベントセンターを訪ねてきて、『ぜひL2を聴いてみてください 』と言われたのです。」とナーブ氏は振り返ります。「デモに参加する機会はまだありませんでしたが、L-Acousticsとの関係と経験だけでも、システムのスペックから確かな決断をするのに十分だと感じていました。」

ウインド・クリーク・イベント・センターは、他社の同サイズのリグよりもはるかに多くのSPLを出力するシステムで、到達距離だけでなくフットプリントも改善されサイド席からの視野も改良されたとナーブ氏は語ります。「1台のL2 / L2D は4台のK2に対して、同じコンターを得ながら、40%軽量、46%小型化したフォーマットになっており、スーパーカーディオイドのパターンを可能にする高精度の広帯域カバレッジは優れた回り込みの低減を実現します。」


「このサイズのシステムでこの高いSPLと明瞭度は他に類を見ません。」と語ります。Milan AVBネットワークの正確なパケット配信は、システム全体で低遅延の信頼性を保証すると付け加えます。「会場のスタッフと管理チームのために行った新しいシステムを再確認するプライベート・ショーを経て、Machine Headの公演で公式リスタートをしました。その結果、L Seriesの選択に全員が大変満足していました。」

ウインド・クリーク・イベント・センターの音響部長兼プロダクション・マネージャーであるジョン・ルップ(John Rupp)氏もその一人です。ツアー歴15年のベテランで、Oliver Tree、Secondhand Serenade、Hobo Johnson、Motion City Soundtrack、The Strutsなど数多くのアーティストのFOHミキシングを担当してきた彼によると、新しいLシリーズが会場のサウンドにもたらす違いは「天と地のようなもの」だそうです。

「明瞭度、カバレッジ、パンチが素晴らしいものです。」と熱心に語ります。「以前のシステムは、席によって聞こえ方が違い数メートルおきに全く別のリグのように聞こえていました。Lシリーズでは、会場のどの場所からでも同じ音質を楽しめます。スイート席でも最前列でも、その特性は一貫しています。システムのヘッドルームも魅力的です。Machine HeadとFear Factoryのツアーは、ここでL2アレイを使用した初めてのショーの1つでした。ツアー・エンジニアは、一晩中システムを105dB前後に保ち、システムの高い精度によりそれ以上 あげる必要はありませんでした。そのレベルでも、アンプにはまだ多くのヘッドルームが残っていて、恐ろしいほどでした。」

「L-Acousticsのシステムがもたらすものは、素晴らしいサウンドだけではありません。L-Acousticsのシステムは、ツアー中のアーティストやファンに対して、会場が音質を重視している証でもあります。「アーティストに、ここで採用している機材が、ショーの体験を最高のものにできることを知ってもらいたいと常に考えています。」とWind Creek Event CenterのEVP/ジェネラル・マネージャーであるジェイミー・ハインズ(Jamey Hines)氏は説明します。「アーティストやエージェンシーから、最高級の音響を備えた一流の会場として認識されることは、彼らがイベントセンターを選ぶ決定的な要因です。さらに、アーティストが自分のアートを思い描いた通りに再現するために必要なレベルの設備を整えることは、それが観客に意図とおりに伝わり、あらゆる面で素晴らしい体験になります。L-Acousticsは、全てのトップ・ツアー・バンドのライダーに名を連ねています。私たちは、アーティストが会場を選ぶ際に何を求めているかを理解しており、真新しいLシリーズの導入により、彼らのニーズを超えた満足を提供できていることを実感しています。」

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